黄門終了

『日刊スポーツ』の記事;


水戸黄門42年の歴史に幕 視聴率低調



 日本最長寿のTBS系時代劇ドラマ「水戸黄門」(月曜午後8時)が、現在放送中の第43部で終了することが14日、分かった。今シリーズが4日からスタートも、平均視聴率が初回10・0%、11日の第2回も9・6%(ともにビデオリサーチ調べ・関東地区)と低調だった。TBS系の看板番組として、1969年(昭44)8月から長らく愛されてきたが、役割を終えたと判断された。

 [2011年7月15日6時26分]
http://www.nikkansports.com/entertainment/news/f-et-tp0-20110715-805224.html


里見黄門さま「後ろから斬られた思い」



 TBSは15日、老舗時代劇「水戸黄門」の放送終了を発表し、同局で会見を行った。5代目水戸黄門を演じている里見浩太朗(74)は「いつかはこのような時が来ると覚悟はしていた。きのう、京都の撮影を終えて東京に戻ったところで突然終了を聞いた。立ち回りではないが、ズバッと後ろから斬られたような思いで、残念というより『痛い!』という思いがする」と無念の表情で語った。

 12月までの放送を最後に、42年の歴史にピリオドを打つ。同局の難波一弘編成制作局長は「見るお客さんが減ったという時代の趨勢(すうせい)もあり、惜しまれながら終了するのが最善として決断した。これだけの番組を終了させることに局内でもなかなか決断が下せず、(放送途中の)この時期までずれ込んだ」と話した。これにより、民放からレギュラー時代劇が消滅することになる。

 [2011年7月15日18時50分]
http://www.nikkansports.com/entertainment/news/f-et-tp0-20110715-805540.html

「民放からレギュラー時代劇が消滅することになる」ということの方が文化史的には重要なのだろう。
さて俺にとって、「水戸黄門」といえば東野英治郎だな。その頃、里見浩太朗はといえば、助さんだったんだった。最初期の『水戸黄門』を視たのは高校生の時の再放送だったのだけれど、初期の頃は、助さん・格さんの町人姿がまだ板についていなくて、ついつい侍言葉で話してしまったりしていたところが面白かった*1。「水戸黄門」といえば東野英治郎と書いたのだが、これはTBSのドラマということで、映画を含めれば何といっても大河内傳次郎でしょ。なお、(タイトルは忘れたのだが)NHKの大河で森繁久彌水戸黄門ならぬ(隠居前の)水戸光圀役を演じたことがあったが、これは池波正太郎先生が髭剃って出直せと批判したほどの悪評だったと思う。
水戸黄門 第一部 シリーズ BOX [DVD]

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水戸黄門 第二部 シリーズBOX [DVD]

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水戸黄門 第三部 シリーズBOX [DVD]

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水戸黄門といえば「仁政」*2が髭生やして歩いているという感じなのだが(笑)、実際はあまり有能ではない封建領主であったらしく、これについては(例えば)大石慎三郎徳川吉宗とその時代』に記述あり。また、光圀が水戸領内で強硬な反佛教政策・神仏分離政策を実施したということも忘れてはならないだろう(See eg. 圭室文雄『神仏分離』)。 
神仏分離 (教育社歴史新書 日本史 113)

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See also http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20070306/1173157627 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20080630/1214763317

*1:そのときの助さんはたしか杉良太郎

*2:See http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20110715/1310699482