黒岩比佐子

『読売』の記事;


ノンフィクション作家の黒岩比佐子さん死去


 明治・大正期のジャーナリズムや世相を生き生きと描いたノンフィクション作家の黒岩比佐子(くろいわ・ひさこ)さんが17日午後1時37分、膵臓(すいぞう)がんのため死去した。


 52歳。告別式は19日午前10時30分、東京都文京区小石川3の7の4真珠院。喪主は弟、清水章(あきら)さん。

 東京都生まれ。PR会社勤務後、フリーのライター・編集者を経て1999年デビュー。2004年に明治期のベストセラー「食道楽」の著者の評伝「『食道楽』の人 村井弦斎」でサントリー学芸賞、「編集者国木田独歩の時代」で08年に角川財団学芸賞を受けた。古書店に足しげく通い徹底して資料を集め、細部を綿密に描く手腕に定評があった。08年1月から本紙読書委員を務め、在任中だった。

 09年暮れにがんが見つかったが、治療を受けながら執筆、先月、「パンとペン 社会主義者堺利彦と『売文社』の闘い」を刊行したばかりだった。

 今年10月に3度目の入院。今月5日夜に更新された自身のブログでは、「やることはやったから。う〜ん、悟りかな。でも、それでも、奇蹟(きせき)は起こるかもしれないから」という言葉が、知人の代筆によって紹介されていた。15日からはホスピスに入っていた。
(2010年11月17日20時06分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/culture/news/20101117-OYT1T00780.htm

8月に黒岩さんのblogに偶然辿り着いた話はした*1。そこでも、癌と折り合いをつけながら仕事をされていることは語られていたけれど、それにしても急ではある。さらに、52歳とは若すぎるともいえる。恥ずかしい話だが、黒岩さんのご著書はこれまで読んだことがなかったのだ。今度日本に帰るときには探してみよう。