大学院と国連

佐和隆光「大学院重点化がもたらした四つの矛盾」『経』(ダイヤモンド社)108、pp.44-47、2010


曰く、


なぜ一九九〇年になって、文部省(当時)は大学院重点化という挙に打って出たのか。これはあくまでも私の推測にすぎないが、大学院重点化のそもそもの動機は、国際連合などの国際機関に就職するためには、修士号の取得が必要条件の一つとされており、出資金に応じて決まる日本人枠を充足しきれないことにあったのではなかろうか。もちろん、国際機関への就職を希望する日本の若者は少なくないのだが、その大方が学士号のみで、受験資格を欠いていたのである。こうした動機を裏づけるのが、東京大学法学部が真っ先に大学院重点化されたという「事実」である。(pp.44-45)
さて?