Into the Wild!?

『日経』の記事;


虫取りした子、6割止まり 自然体験10年で大幅減
09年度調査 川遊びやキャンプも少なく
2010/10/14 13:56



 虫取りや海・川で泳ぐといった自然体験のある小中学生がこの約10年間で大幅に減少していることが14日、国立青少年教育振興機構の調査で分かった。一方で、幼少期に動植物と触れ合った経験などが豊富な高校生ほど、思いやりの心がありコミュニケーション能力も高い傾向も明らかに。同機構は「子供に多様な体験をもっと積ませるべきだ」と指摘している。


 調査は今年1〜2月、全国の小中高校の児童・生徒に調査票を配布し、約1万8800人から回答を得た。回収率は92.9%だった。

 小学4年と6年、中学2年への調査で、「チョウやトンボ、バッタなどの昆虫を捕まえたこと」が「何度もある」か「少しある」と答えた割合は2009年度は59%で、前回同じ質問をした05年度に比べ6ポイント減少。1998年度に比べ22ポイント減だった。

 「海や川で泳いだ」は09年度が70%で05年度に比べ4ポイント減、98年度と比べると20ポイントも減った。「キャンプをした」も09年度は44%で、98年度に比べると17ポイント減少。「夜空いっぱいに輝く星をゆっくり見た」は09年度は74%で05年度に比べると9ポイント増えたが、98年度に比べると4ポイント減だった。

 一方、小中学生に親の手伝いをするか尋ねたところ、「買い物の手伝い」を「いつもしている」と「時々している」と答えた割合は計70%に。05年度に比べて1ポイント増え、98年度に比べると14ポイント増えていた。食器の片付けや掃除、靴磨きなどでも同様の傾向がみられた。

 同機構は幼少期の体験がその後の人生にどんな影響を及ぼすか調べるため、09年11〜12月に小中高生約1万1千人を対象に実施した別の調査結果も公表。「ペットなど生き物の世話をしたこと」が多い高校生は、「友達が幸せな体験をしたら自分もうれしくなる」との質問に77%が「とても」「やや」あてはまると回答。少ない生徒は68.9%にとどまった。

 「ごみ袋を出したり、捨てたこと」が多い高校生のうち45.3%が「けんかをした友達を仲直りさせられる」に「とても」「やや」あてはまると回答。少ない生徒は28.3%だった。

 調査結果を分析した千葉大の明石要一教授は「自然体験の減少は、塾や習い事をする子が増えたためとみられる。親のしつけに対する意識の高まりから手伝いをする割合は伸びているが、もっと外遊びの機会を確保すべきだ」と話している。
http://www.nikkei.com/life/news/article/g=96958A9C93819695E3E1E2E1E18DE3E6E3E2E0E2E3E29180E2E2E2E2;da=96958A88889DE2E0E3EAEAE7E6E2E0E3E3E0E0E2E2EBE2E2E2E2E2E2

「チョウやトンボ、バッタなどの昆虫を捕まえたこと」、「海や川で泳いだ」こと、「キャンプをした」こと、「夜空いっぱいに輝く星をゆっくり見た」ことが1998年と比べて「大幅減」であることの理由がわからない。何があったのか。明石要一は「自然体験の減少は、塾や習い事をする子が増えたためとみられる」と言っている。しかし、こう言うためには、上記の事項が減っているのに見合った仕方で、「塾や習い事をする子が増え」ていることを示さなければならない筈だ。或いは、「塾や習い事をする子」はそういうことをしない子に比べて、上記の体験が有意に少ないことを示さなければならないだろう。さらに、「塾や習い事」と「キャンプ」やなにやらとは単純に比較できることなのか。前者は日常というか平日の放課後や夕方に関わり、後者は特に休日とか夏休みとかに関わる。つまり、二律背反の関係ではないのだ。また、進学塾とかでもキャンプ等の自然体験を組み入れた合宿を行っているところが多いと聞くし。それから、この記事では2つの異なった調査(小中学生調査と高校生調査)が言及されているのだが、この2つの関連性も問題にしなければならないだろう。例えば、同じ生物との接触とはいっても、「チョウやトンボ、バッタなどの昆虫を捕まえたこと」と「ペットなど生き物の世話をしたこと」とは性質を全く異にするといってもいいだろう。
ところで、都市化が進むと否応なく〈自然〉と触れ合ってしまう。熊の住宅地出没が増えるとか雀蜂の巣の出現とか。
明石要一だが、http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20070507/1178556871http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20070606/1181159815で言及していた。特に後者の方では、「朝食に和食を食べる子どもは洋食を食べる子どもよりも早起きで、また学校を「とても楽しい」と感じる割合が高い」とか変なことを言っている。
タイトルはショーン・ペン監督の映画から。
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