〈沈没〉を巡ってメモ

韓国の哨戒艦「天安」沈没を巡っては、今のところ、北朝鮮が黒に近い灰色という感じなのだろう。北朝鮮がすぐさま捏造だ! と喚いたのは、刑事裁判においても検察側の訴追に対して被告・弁護人側は無実を訴えることから裁判ゲームが開始されるのだから、当然といえば当然だろう。ただ、あの語り口は第三者の心証を悪くするということはたしかだろう。事実、北朝鮮のあの喚き方から思い出したのは、痴漢冤罪を訴える日本の某エコノミストのちぇんちぇーだった。
さて、


Tania Branigan “North Korea threatens South over report on sinking of warship” http://www.guardian.co.uk/world/2010/may/20/north-korea-naval-ship-report


この中で、英国Cranfield大学の北朝鮮研究者Hazel Smithは、平壌が魚雷攻撃を命令したとは信じないと述べている。「連中にとって何もいいことがない(There is no mileage in it for them)」。彼女の判断では、北朝鮮の命令系統は機能しておらず、現場が勝手に暴走している。また、北朝鮮は「怒号」の中にも交渉の意思を示しているという。「証拠を見せろ」。だったら、証拠を見せてやればいいのだが、現在韓国も米国も北朝鮮との交渉ルートを持っていないのが問題なのだと。


Mark Tran “North Korean dissident plots revolution in London” http://www.guardian.co.uk/world/2010/may/20/jooil-kim-north-korea


倫敦を拠点として反政府運動を行っている元北朝鮮軍大佐のJooil Kim氏について。北朝鮮の体制に疑問を持ち始めた彼は、2005年に図満江を泳いで中国に越境し、2007年10月に倫敦に辿り着いた。何故脱北者が多くいる韓国ではなくて倫敦なのか。Kim氏によれば、長期に亙る洗脳の結果、北朝鮮人民は韓国を拠点とする組織を受け入れることはない。米国についても同様。彼は既にウェブサイトを有しているが*1、3年以内に日本に北朝鮮全体をカヴァーする衛星TV局を開設することを計画しているという。


新しい動きとしては、問題の海域での韓国の軍事演習の開始;


Tania Branigan “South Korean navy starts military exercises” http://www.guardian.co.uk/world/2010/may/27/south-korea-military-drills


See also http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20081001/1222829012