二度被爆して

MARK McDONALD “Survivor of 2 Atomic Bombs Dies at 93” http://www.nytimes.com/2010/01/07/world/asia/07yamaguchi.html


日本の報道だと、例えば『西日本新聞』の記事;


山口彊さん死去 広島・長崎で二重被爆 93歳
1月6日15時7分配信 西日本新聞

 広島と長崎で直接被爆した二重被爆者の山口彊(やまぐち・つとむ)さん=長崎市在住=が4日午前5時38分、胃がんのため長崎市の病院で死去した。93歳。長崎市出身。5日、家族だけで密葬が営まれた。

 三菱重工業長崎造船所の設計技師だった山口さんは1945年8月6日、広島市に出張中に爆心地から約3キロの地点で被爆。8日に救援列車で長崎市に戻ったが、9日、爆心地から約3キロの地点で再び被爆した。2009年3月、長崎市被爆者健康手帳に広島での被爆も追加記載し公式に二重被爆者と認定された。

 20歳のころ始めた短歌を通じ、原爆の悲惨さや平和への思いを発信。02年、歌集「人間筏(いかだ)」を自費出版した。生後6カ月で被爆し、がんを患った次男を05年に亡くしてからは「平和のバトンを次世代に」と、小中学生や外国人留学生向けに積極的に被爆講話に取り組んだ。

 06年8月には、米国・ニューヨークの国連本部で自身が出演したドキュメンタリー映画二重被爆」の上映会に出席し被爆講話を行った。07年には自伝も出版。海外メディアの取材も受け世界に非核の願いを訴えた。

 被爆で左耳の聴力を奪われ、被爆が原因とみられる急性白血病白内障も患った。06年に胃がんが見つかり、昨年8月8日、体調を崩して緊急入院。10月下旬に一度退院したが、11月上旬に再入院していた。

=2010/01/06付 西日本新聞夕刊=
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100106-00000019-nnp-l42

また、『毎日』の記事(LA発);

二重被爆者>山口さん、死の直前キャメロン監督らにバトン
1月7日12時3分配信 毎日新聞

 【ロサンゼルス吉富裕倫】広島と長崎の両方で原爆被害に遭った「二重被爆者」の山口彊(つとむ)さん(93)が亡くなる約2週間前、長崎市の病院を訪ねていた米作家、チャールズ・ペレグリーノさん(56)が6日、毎日新聞の電話取材に応じた。自らの死期が近いことを悟った山口さんは、ペレグリーノさんとともに訪れた映画界の巨匠、ジェームズ・キャメロン監督(55)と3人で手を取り合い、「原爆が何をもたらしたか、人々に伝えるバトンを渡したい」と思いを伝えたという。

 ニューヨーク在住のペレグリーノさんは08年7月、山口さんの体験を題材にノンフィクションを書くため、自宅を訪問。その後、病状が深刻になった山口さんが、二重被爆者に関する映画化構想を抱いているキャメロン氏との面会も希望していることを知り、先月22日、新作映画「アバター」の宣伝のため訪日した同氏とともに病院を訪ねた。

 ベッドに座った山口さんは死期が近いことを悟り、「私の仕事はほぼ終わり、引き継ぐ時が来た」と述べ、広島、長崎の惨劇を二度と繰り返さないよう語り伝える仕事を2人に託し、手を握って誓い合ったという。

 「もう時間がない。今こそ学ぶべき時だ」と訴えた山口さんに、キャメロン氏は「忘れ去られた事実を本当に再現する映画になるでしょう。山口さんのバトンを引き継ぐのは名誉なこと。最善を尽くします」と製作に意欲を示したという。

 科学アドバイザーとして「アバター」や「タイタニック」でキャメロン氏に協力してきたペレグリーノさんによると、二重被爆者をテーマにした作品は「6時間の大作」になる見込み。3D劇場映画になるかミニテレビシリーズになるか、目標時期も含めて詳細は未定という。

 山口さんの体験を基にしたペレグリーノさんのノンフィクション「ラスト・トレイン・フロム・ヒロシマ」は今月19日、米国で出版される。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100107-00000035-mai-soci

上に掲げたNYTの記事は何故か香港発。