道を間違えて

http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20091202/1259752743
http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20091203/1259844992


古寺多見さんが植草一秀著『知られざる真実』の読解を始められている。それによると、植草一秀は高校時代以来「西洋占星学」を学び、さらには「血液型」*1にも興味を持ったという。道を間違えてしまったなと思った。彼も、占い師になるという途を選択していたとしたら、「影の権力」だか「悪徳ペンタゴン」の陰謀にはめられたり、投獄されたりせずに、リッチで平和な生活をエンジョイできたかも知れないのだ。ただ、


企業勤務のころ、生命保険社長との宴席に同席した。血液型や占星学が話題になった。上司も社長も強い関心を示した。翌日、上司は社内の全役員の生年月日と血液型を秘書に調べさせ、要点をまとめて欲しいと言った。A4, 30ページほどの資料をまとめた。資料は長い間活用されたようだ。
とある。「全役員の生年月日と血液型」では不十分だろう。占星術においては、生まれた時刻における星座や惑星の位置関係がわからなければ、十全な分析はできないからだ。このように占星術的に見て未熟なところがあるものの、このまま占いの道を極めていれば、今頃占星術と血液型という、今までは全然関係ないとされてきた2つの領野、まさにマクロコスモスとミクロコスモスを綜合した包括的な占いパラダイムを確立していた可能性がある。ほんとうに残念だ! 若い頃、自分の将来を占ったことはあるのだろうか。
植草一秀といえば、電車の中での〈痴漢〉事件*2。それについて、自ら語る;

ワールドトレードセンターに突入した飛行機の腹部から、突入寸前に閃光が発せられた。ビル崩壊の瞬間の無数の小爆発も映像に映し出された。米国のローカルラジオ局スタッフが問題映像を集めて『ボーイングを探せ』と題するDVDを製作した。日本ではきくちゆみ氏が草の根で上映会を開催し、ジャーナリストのベンジャミン・フルフォード氏が同時多発テロの疑惑を本にして出版した(『暴かれた9・11疑惑の真相』扶桑社)。

 2006年9月13日、私はこの問題についてのウェブマガジン用原稿を送信した。その直後に事件に巻き込まれた。原稿は掲載されなかった。9・11テロに関する疑惑を荒唐無稽と笑い飛ばす前にDVDを視聴することが必要だ。

古寺多見さんが註釈するように、「「事件」とは、植草センセが「痴漢」容疑で逮捕され、無実の罪で起訴されて有罪が確定し、先ごろ2か月の長きにわたって投獄された冤罪事件を指す」。こうして、あの「悪徳ペンタゴン」理論の起源が明らかにされているわけだ。さらに、

引用文において植草センセは、ご自身が「悪徳ペンタゴン」理論を編み出すに至った経緯を赤裸々に告白されている。心から畏敬の念を感じずにはいられない名文といえよう。
私としてはこの注釈文に付け加えることは殆どないのだが、敢えて言えば、これは植草氏による景気浮揚戦術でもある。あなたが〈心清き人〉であるなら、この一節を読む度に、〈涙そうそう〉となり、また失禁もしてしまうだろう。こうして、ハンカチやティッシュや下着の売上げは伸びることになる。日本経済へのこの配慮もまた讃えられるべきであろう。