UKを弁護するわけではないが

承前*1

http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20091212/1260586230


本文ではなく、nemuri nekoという方*2のコメント;


 聞いた話ですが、植草センセの「性的嗜好」と言うのは、正常では無い方で、「変態」に属するものだそうです。女装、その他、いろいろとあり、知っている人で、「痴漢冤罪」を信じている人は誰もいないそうな。ついでに酒癖もあまり良くないらしいです。
http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20091212/1260586230#c1260603991
たしかに、植草一秀を「知っている人で、「痴漢冤罪」を信じている人は誰もいないそうな」というのは貴重な情報だといえるだろう。但し、少し注意を喚起しておくと、括弧付きとはいえ、「変態」という言葉を安易に使うのはどうかと思う。私見を述べれば、「変態」という言葉の使用が許容されるのは、当事者が自虐的若しくは開き直り的に使用する場合のみであるべきだと思う。マジョリティから見て「変」であっても、当事者間の自由で対等な合意に基づくかぎり、性的快楽を追求する自由は誰にでもある。「人はそれぞれに性的嗜好を持つと思うが、人を傷つけたり迷惑をかけたりしなければ、嗜好は個人の自由に属することがらだ」とUKが書いているのは正しい*3。勿論、植草一秀の「痴漢」がたんなる他者の自身の身体についての権利の侵害であるが故に断罪すべきであるということはいうまでもない。また、「変態」というのが相対的な概念で、米国にはオーラル・セックスを条例で禁止している町があるらしいが(たしか、栗本慎一郎『パンツをはいたサル』に出ていたと思う)、そういう町の住民から見れば、これを読んでいる多くの人は「変態」なのだ。多様なセクシュアリティのあり方への配慮ということを離れて、別の準位のことを言えば、通俗フロイト主義よろしくセクシュアリティを何でも説明してしまう万能の独立変数に仕立て上げるのは誤っている。この件でいえば、UKが「正常」であれ「異常」であれ、彼の言っていることがアレであることに変わりはないということだ。
パンツをはいたサル―人間は、どういう生物か (カッパ・サイエンス)

パンツをはいたサル―人間は、どういう生物か (カッパ・サイエンス)

See also


http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20070928/1190987965
http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20080315/1205588068


また、(中国語ではあるが)李銀河老師のblogエントリー;


http://blog.sina.com.cn/s/blog_473d53360100fvwm.html

*1:http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20091204/1259925249

*2:http://d.hatena.ne.jp/nemuri_neko/

*3:但し、「嗜好」は「指向」と書くべきだろう。