陰謀理論の拡張など

http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2010/09/post-d69b.html(Via http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20100920/1284965287


植草一秀*1曰く、「横綱白鵬の連勝が続いているが、興業のために連勝を仕組んでいる疑いが濃厚である」。陰謀理論の射程を日本相撲協会(とNHK)にまで拡げている。まあその理論の妥当性は、例えば角力界における八百長問題を数十年に亙って追及し続けている『週刊ポスト』辺りが検証してくれるでしょう。
さて、植草曰く、


藤井氏は参議院選挙で敗北した総理が4人いることを紹介した。宇野首相、橋本首相、安倍首相、そして今回の菅首相である。過去の3人の首相は、全員、参院選敗北の責任を取って首相を辞任した。辞任していないのは菅首相だけである。
 
 このことについて、藤井氏は国民の7割が菅首相の続投を求めたと発言したが、ウソを言ってはいけない。7割というのは、マスゴミが実施したという世論調査の結果に過ぎない。そのサンプル数を見れば、国民の7割などという数値がまったくのウソであることは明白である。0.007%にも満たないサンプル数だろう。
 
 民主党代表選時の世論調査を見ても、世論調査など、まったく信頼が置けないことは明白である。公正取引委員会は、「世論調査」との名称を不当表示として摘発するべきである。マスゴミ世論調査は悪徳ペンタゴンがねつ造する人為的数値に過ぎないことを、多くの国民が知り始めているのである。
まあ世論調査(正しくは輿論調査)を批判するのは勝手なのだが、その論拠が「0.007%にも満たないサンプル数だろう」というのは如何なることか。素人の雑談ならともかく*2、植草って一応東京大学経済学部を卒業し、アンケート調査をビジネスとして手がけてもいる証券会社系のシンクタンクで研究員も経験し、大学で経済学の教鞭を取ったこともある人でしょ。植草の推測する0.007という抽出率がどういう根拠に基づくのかはわからない。ただ、母集団のサイズが大きくなればなるほど抽出率の精度に対する影響は弱まるので、母集団が日本国民全体といった大集団である場合、抽出率がどれくらいなのかというのはきわめてマイナーな問題になってしまうというのはたしかなのだ*3
また、

参院選の前に、菅直人首相は、「参院選が菅政権に対する信任投票である」ことを明言したのだ。その参院選での結果が、まさに主権者国民の声、世論そのものなのである。こちらは人為的な操作を加えた数値ではない。
 
 この選挙に際して、菅直人氏は勝敗ラインを54議席とした。本来の勝敗ラインよりもはるかに低い水準に勝敗ラインが設定されたのである。
 
 主権者国民は、この菅政権に54議席以上を与えると信任の意思表示、54議席以下の議席付与は不信任の意思表示であることを明確に認識して投票に臨んだ。
 
 その結果、民主党は44議席しか獲得できなかったのである。主権者国民は、まったく信用できないマスゴミ世論調査ではなく、全数調査の参議院選挙で菅政権不信任を明確に意思表示したのである。どうして、この当たり前の真実を語る人物を番組に登場させないのか。
たしかに、選挙というのはサンプリング調査ではなく「全数調査」ではあるよ。また、参議院選挙の結果が「菅政権不信任」を表していたということもいえるのだろう。だとしても、これと民主党の代表選挙とは話が別でしょうが。そういえば、私も「小沢一郎の方が相対的に有利ということはあるのだろう。何しろ管直人菅直人の方は参議院選挙敗北の責任問題がつきまとっているからだ」と書いたことがあり*4、予想を外してしまったということにはなる。