新華社「朝鮮突然換貨幣：100元変１元」『東方早報』2009年12月２日
CHOE SANG-HUN “North Korea Revalues Its Currency” http://www.nytimes.com/2009/12/02/business/global/02korea.html
北朝鮮が突然新しい貨幣を発行。これは11月30日午前11時に発表され、旧貨幣と新貨幣の交換は30日午後２時から12月６日まで。今回の新貨幣発行はデノミで、（例えば）旧1000朝元（ウォン）札は新10ウォン札と交換される。突然の布告に、少なからぬ人が持ち金を闇市で外貨に換えようとしたために、ウォンに対する米ドルや人民元の相場は急騰している。また、新券交換のために帰宅しようとする人で、北朝鮮の鉄道駅は大混雑になったという。また、一部では当局に対する抗議活動も見られたという。国営商店はまだ新通貨での公定価格が下達されていないので、営業を停止している。北朝鮮当局の公式レートでは１米ドル＝135ウォン（固定）だが、最近の闇相場では１米ドル＝2000〜3000ウォンになっていたという。韓国の北朝鮮専門家によれば、北朝鮮の今回の措置の狙いは、インフレ*1の抑止のほか、非合法（つまり自由な）商業活動の抑圧があるという。NYTの記事にコメントしているInstitute for National UnificationのChoi Soo-young氏と三星経済研究所のDong Yong-sueng氏は、今回のデノミネーションはインフレに対して一時的な効果しかないといっている。インフレの解決は食料不足の解決なくしてはありえないわけだ*2。
『東方早報』の記事によれば、北朝鮮では建国以来既に４回新貨幣の発行が行われている。1947、1959、1979、1992。そのうち1959年は今回と同じ1:100のデノミネーション。
*1:とはいっても、北朝鮮の具体的なインフレ率はわからない。但し、NYTの記事には、”Food prices have risen so sharply in recent years that workers can buy only two kilograms of rice, about four and a half pounds, with their monthly wages, according to Open Radio for North Korea, a Seoul radio station and Web site that specializes in collecting news from informants in the North.”とあり。
