承前*1
- 作者: レーヴィット,熊野純彦
- 出版社/メーカー: 岩波書店
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カール・レーヴィット『共同存在の現象学』、II「共同相互存在の構造分析」第一部「共同世界と「世界」ならびに「周囲世界」との関係」第2節「「世界」ならびに「生」の人間的意義」。
先ず、独逸語においてWelt(世界)が〈世間〉という意味で使われていることが言及される(pp.60-61)。それを踏まえて、
世界=世間に関しては、(安易ではあるが)阿部謹也*5『「世間」とは何か』や『学問と「世間」』*6を取り敢えずマークしておく。
あらゆる世界(すなわち、みな*2) 、世界の歴史、男性の世界、女性の世界、上流の世界、高級娼婦の世界といった表現が(略)こおtがらにそくして示しているのは、「世界」が人間に対して法的に劃定される客体でも、空虚な、人間にとって異質な滞在の場所でもないことである*3。世界とは、個々人の生を規定する共同世界、個々人にとって同種*4で同等な共同世界なのである。
人間的な現存在はそれが「世界のうちに在ること(in der Welt sein)」によって規定され、世界内存在は他方「共に在ること(mit zein)」により規定されている。本来的な共同存在はさらに互いに共に在ること(mit einander sein)を意味し、共同相互存在はまた「共に生きること(zusammen leben)」と同義である。そうであるがゆえに、一般的な意味での「世界」がすでにそれ自体として(eo ipso)共同世界を示しているのとおなじように、一般的な意味における「生」がそれ自身として(eo ipso)共同的−生を意味していることがあらかじめ見つもられてもよいだろう。(p.61)
- 作者: 阿部謹也
- 出版社/メーカー: 講談社
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- 作者: 阿部謹也
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*1:http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20091116/1258370011 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20091118/1258573653 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20091124/1259035863 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20091125/1259117601 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20091130/1259594080
*2:独逸語のalle Weltは仏蘭西語のtout le mondeと同様にeverybodyの意味を持つ(Cf. 訳註II-8、p.411)。
*3:「異質な滞在の場所」という表現に関しては、sojournerというアウグスティヌス/アレント的な言葉が想起されるべきか。Cf. Hanna Fenikel Pitkin The Attack of the Blob, p.43 The Attack of the Blob: Hannah Arendt's Concept of the Social
*4:原語は?
*5:See http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20060909/1157822709
*6:See also http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20090319/1237434321