偶然に耐えられぬ人

http://blog.goo.ne.jp/hienkouhou/e/dfe1d7b0db5db12d53d4afd3e5a98d26
http://blog.goo.ne.jp/hienkouhou/e/894964b26e6f58a11749c2a07267f8fe
http://blog.goo.ne.jp/hienkouhou/e/819c533eaa59d67d02827d9a2151a2f3


植草一秀*1擁護エントリー。記事の元ネタは高橋清隆という人の本であるらしい。周防正行の『それでもボクはやってない*2の公開は「植草一秀氏が京浜急行車内で痴漢容疑で逮捕された事件の第二回目の公判の日」。そのTV放映は「植草事件の控訴審初回(3月17日)の直前」。また、痴漢冤罪事件をテーマにした水谷豊主演のCXのドラマ『誰かが嘘をついている』のオンエアは「ちょうど植草一秀氏が勾留地から解放された10月4日からわずか3日後」。
私は以前「「陰謀理論」を信じる人」は


〈偶然〉(或いは、兵学などで〈勢〉というものを認めることができない。〈偶然〉を認めることができないから、〈必然〉を求めてトンデモ道に踏み込んでしまう。たしかに、一見偶然に見えるものからその原因を探求したり、何か法則性(規則性)を見出そうとするのは科学的な態度というか、科学というものの始まりではあろう。でも、こういう人は真っ当な科学の道を歩むことができない。それは〈主体主義者〉だからである。つまり、出来事の起点には(個人であれ集団であれ)〈主体〉があって、その意志(will)の実現として出来事が生起していると考えてしまう。
http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20080125/1201204697
と書いたことがあった*3。この人も偶然に耐えられぬ人であるようだ。勿論、誰にとっても偶然というのは厄介なことであって、だからこそ古より偶然を吸収するための〈零記号〉的主体*4が構築されてきたのだが、怨霊やキツネなどと違って、陰謀理論の場合は構築された〈零記号〉的主体が〈実在する〉個人的・集合的主体と一致してしまうのだ。
ところで、この人は八切止夫*5のファンであるようだ。八切を援用して曰く、

本部ブログでは、何度も八切止夫歴史観を紹介してきた。八切止夫は本当の日本史を説いているのだと思うが、あまりにも歴史の教科書と内容が違うため、また官許歴史学イルミナティの指図で作られた東京帝国大学が主流となって作為的に創られてきたため、信じてもらえない。

 しかし八切止夫は、日本の歴史が朝鮮人の支配と日本人の支配が交互に行なわれてきている事実を掴んでいた。
 江戸時代もごく初期の徳川氏以外はずっと朝鮮人の血をひく将軍だったのである。それが土着の日本人を差別し、虐げてきたのだ。
 
 明治維新とは、日本が国際金融資本(ロスチャイルド)に乗っ取られた事件であった。ロスチャイルドは、鎖国の間にオランダを使って日本を研究し尽くしたのだ。日本がどのような支配体制にあるのかを見抜いた。天皇とは何ものなのか、も見抜いたはずである。その体制をあたかも維新革命で変えたように見せかけながら、じつはロスチャイルドが目には見えない形で日本に馬乗りになった。それが明治以降の歴史である。

 戦後は、それをアメリカが踏襲した。日本の古来の支配・被支配関係をうまく使って馬乗りにしている。だから彼らは決して天皇の戦争責任を問わなかった。
 そして在日を野放しにして、日本人をいがみあわせ、在日や朝鮮半島を日本支配に利用してきた。
 北朝鮮による拉致も核も、みんなアメリカが仕掛け、朝鮮を利用して日本を操ることが目的だった。
http://blog.goo.ne.jp/hienkouhou/e/819c533eaa59d67d02827d9a2151a2f3

上杉謙信は女だっただけじゃなくて、八切止夫ってこんなことまで書いていたの!? 
また、この人が援用している「阿修羅♪ 空耳の丘11」*6。「フリーメーソン陰謀論満載の頁に「空耳の丘」と名づけていることに関しては、遊佐未森ファンとして抗議したい。アルバム『空耳の丘』は「フリーメーソン陰謀論とは無関係です。念のため。
空耳の丘

空耳の丘

あと、この人、「性同一性障害*7について差別的且つトンデモなエントリーを書いていた人ですよね。

*1:See http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20060914/1158219171 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20060915/1158315986 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20060927/1159351210 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20090716/1247747305 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20090805/1249467184 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20090809/1249835813 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20091012/1255288680

*2:どんなDVDでも手に入る筈の上海でまだ手に入れていない。これって、植草一派が中国に手を回した陰謀?

*3:See also http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20080812/1218508991

*4:その象徴論的メカニズムについては、取り敢えず川村邦光「カリスマの磁場をめぐって――カリスマ論の一考察」(in 『宗教の意味世界』)とかを参照されたい。 また、マルセル・モース『社会学と人類学』へのレヴィ=ストロースの序文。

宗教の意味世界―宗教社会学研究会論集2 (1980年)

宗教の意味世界―宗教社会学研究会論集2 (1980年)

社会学と人類学 (1)

社会学と人類学 (1)

See also http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20080131/1201781124 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20071024/1193246772

*5:http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20060927/1159360317で名前を挙げていた。

*6:http://www.asyura.com/sora/bd11/index.html

*7:See also http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20080721/1216572422 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20080816/1218902725 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20090206/1233860391