バッグの話とか

http://d.hatena.ne.jp/buyobuyo/20090908/p1
http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1299544.html


「バカチョン」問題が再燃しているようだ。ほぼ1年前に、http://d.hatena.ne.jp/buyobuyo/20080909/p1を引きながら、この件についてメモしたことがあるが*1。思い出したのだが、1970年代に〈チョン・バッグ〉というのがあった。朝鮮高校の鞄というのは普通の学生鞄ではなくて、サラリーマンのビジネス・バッグみたいなデザインで、〈チョン・バッグ〉と呼ばれていた。この呼び方を差別的だと一概に決めつけることはできないだろう。というのも、ヤンキー文化圏*2において、朝鮮高校というのは先ず何よりも強いというイメージがあって、その強さの象徴である〈チョン・バッグ〉を(朝鮮高校でもないのに)持ち歩くとというファッションが存在した。
朝鮮人や韓国人に対する伝統的な蔑称は「鮮人」であって、そもそもこの呼び方が広がったのは韓国併合後に日本が意図的に韓国という呼称を抑圧したことによるらしい。朝鮮を鮮と略す言い方は、差別用語であることも意識されずに、左翼的な人も含めて、南鮮とか北鮮という呼称はけっこう使われていた。それが差別用語であると自覚されるようになるのは1980年代に入ってからではないか。永井荷風関東大震災に言及して、「鮮人」ではなく、「韓人」という呼称を使っていたのを思い出した*3

*1:http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20080910/1221058239

*2:何度も言うように、当時ヤンキーというのはまだ関西弁でしかなく、関東ではそんな言い方は存在しなかった。

*3:たしか、岩波文庫の『荷風随筆集 下』に入っていたと思う。

荷風随筆集 下 (岩波文庫 緑 41-8)

荷風随筆集 下 (岩波文庫 緑 41-8)