http://d.hatena.ne.jp/ohnosakiko/20090803/1249290618
「毒まんこ」が日本の名古屋で活動していた1980年代、英国ではスリッツ(The Slits)*1というバンドがあった(というか、2005年に再結成されている)。ここでいうslitは日本語に訳せば〈割れ目〉で、勿論vaginaの言い換え。
- アーティスト: ザ・スリッツ
- 出版社/メーカー: Sony Music Direct
- 発売日: 2004/02/25
- メディア: CD
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また、「毒」とは性質が違うかも知れないが、vagina dentata(歯のある膣[toothed vagina])という神話的モティーフは世界的に分布している。ところで、その日本語の解説(http://web.kyoto-inet.or.jp/people/tiakio/antiGM/vagina.html)はhttp://www.goddesscafe.com/yoni/dentata.htmlの翻訳のようであり、後者はBarbara Walker*2 The Woman's Encyclopedia of Myths and Secretsからの抜粋である。
それから、
これはバンド名のほかに、「男女混成バンド」ということと関係あるかも*3。
初対面で訊かれてバンド名を告げると、「えっ、ど‥‥へぇ‥‥」とドン引きする人も当然いる。引かないでライブに来てくれる人と、二度と話しかけてこない人。「毒まんこ」という名が踏み絵の役割。そういうことも関係していたかどうかわからないが、周囲では男性だけが性的な話題で盛り上がるということはあまりなかった。猥談や性的な自慢話や下卑た笑いや俗に言うイヤらしい視線があったとしても、「毒まんこ」という言葉の前には「で、それが何か?」みたいな感じになる。
「ちんこ」の男性にとっての外在的な性格については、澁澤龍彦『玩物草紙』に収められた文章で言及されていたような気がする。そもそも男性の場合、その解剖学的な位置のために、より可視的であり、「鬱陶し」さは女性以上なのかも知れない。また、〈男性自身〉と俗称もされ、自らのアイデンティティにとって構成的である筈なのに、自らの意のままにならないということにおいても外在的*4。
私のまんこは私の体のオプションというだけだ。時々ちょっと鬱陶しい。着脱可能だったらいいのにね。ちんこの持ち主は、そういうことを考えたことはないですか?
- 作者: 澁澤龍彦
- 出版社/メーカー: 朝日新聞
- 発売日: 1993/10
- メディア: 文庫
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*1:http://www.theslits.co.uk/ See also http://en.wikipedia.org/wiki/The_Slits
*2:http://www.nownj.org/njNews/2005/0116%20humanist_profile-%20Barbara%20G.%20Walker.htm also http://en.wikipedia.org/wiki/Barbara_G._Walker
*3:See http://d.hatena.ne.jp/snakefinger/20090530/p1 also http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20090618/1245330417
*4:いざというときに自らの欲望に逆らって萎えてしまい、その都度パートナーの手や唇に助けてもらったことがある方も少なくないのでは?