Biological Diversity

『毎日』の記事;


生物多様性:6割「聞いたこともない」 内閣府世論調査
 内閣府は1日、「環境問題に関する世論調査」の結果を発表した。G8環境相会合などでの主要議題「生物多様性」という言葉を「聞いたこともない」との回答が61.5%に上った。政府の第3次生物多様性国家戦略では、11年末までに50%の認知度達成を目指しているが、国内で理解が進んでいない実態が浮き彫りになった。

 調査は6月、全国の20歳以上の男女3000人を対象に面接方式で実施。1919人から回答を得た(回収率64%)。

 生物多様性は、地球上に多様な生物が存在し、それぞれがかかわりながらバランスを保っている状態のこと。来年には名古屋市生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)が開催され、多様性保全のための新たな目標や、遺伝子レベルで医薬品などのもとになる有用生物を取り扱う国際ルール作りなどが議論される予定。

 調査では、生物多様性の意味を知っている人は12.8%、「意味は知らないが聞いたことがある」は23.6%だった。

 一方、多様性の意味を説明した上で環境保全への考え方をたずねたところ、「人間の生活が制約されない程度の環境保全」との回答が過半数を占めた一方で、「制約があっても環境保全を優先」が約4割を占めた。環境省生物多様性地球戦略企画室は「生物と触れ合うなど体験を通じて、多様性の意味と重要性をもっと多くの人に理解してほしい」としている。【大場あい】
http://mainichi.jp/select/science/news/20090802k0000m040118000c.html

実を言うと、英語のbiological diversityは知っていたが、「生物多様性」という日本語は知らなかった。勝手に生物学的多様性と訳していた。〈生物の多様性〉と「の」を加えるとわかりやすくなるのではないかとも思う。また、「生物多様性」解説記事もある;

エコ・ワード:生物多様性 どんな状態のこと?
 地球上には3000万種の生物が存在すると言われています。「生物多様性」は、あらゆる生物と、それらによって成り立つ生態系、さらに遺伝子レベルでも多様で豊かな状態を指します。

 私たちは生物多様性のおかげで、食料、木材、衣服、医薬品など多くの恩恵を得ています。しかし今、生物多様性は危機に直面しています。開発や地球温暖化の影響で、毎年約4万種が絶滅していると推測されています。

 1992年に採択された国連の生物多様性条約は「生物多様性が失われる速度を2010年までに顕著に減らす」との目標を立てました。日本も含め191の国・地域が参加していますが、達成の見通しは立っていません。それだけに、名古屋市で来年開かれる同条約第10回締約国会議(COP10)は、新たな目標と戦略を練り直す重要な会議となります。

 生物多様性という言葉になじみが薄いのも事実です。愛知県が昨年7月実施した意識調査では、86%が「あまり知らない」「ほとんど知らない」と答えました。会議をきっかけに関心が高まることが期待されます。【足立旬子】

毎日新聞 2009年1月12日 東京朝刊
http://mainichi.jp/life/ecology/archive/news/2009/01/20090112ddm016040017000c.html

ここで、(タイトルはベタだが)トマス・ピンチョンの「エントロピー」という短編をマークしておくことは的外れではないだろう。
スロー・ラーナー

スロー・ラーナー

上の『毎日』の記事はhttp://h.hatena.ne.jp/hizzz/9234071228373528500で知った。生物学のイデオロギー的・本質主義的使用について、このほかに、http://h.hatena.ne.jp/hizzz/9234088816446528995 http://h.hatena.ne.jp/hizzz/9234071236258121323もマークしておく*1


生物多様性条約(Convention on Biological Diversity)」のサイトはhttp://www.cbd.int/