
- 作者: 仲正昌樹
- 出版社/メーカー: 講談社
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http://d.hatena.ne.jp/Geheimagent/20090619/p1
仲正昌樹『今こそアーレントを読み直す』という本について。実はこの本、買ったのだけど*1、まだ読んでいない。なので、この本に関しては立ち入らない。ただ、「共感」云々というのがエントリーの中に出てくるので、少し注釈めいたことを。
「共感」という日本語に対応しそうな英語なのだが、『革命について』第2章「社会問題」の中で、アレントはcompassionとpityという2つの言葉を微妙且つ明確に区別している。ルソーに端を発して全体主義的な悲惨の契機になったとして糾弾的に論じられているのは後者の方。『革命について』における「共感」だとか「同情」とかの問題を論じる場合にこの区別をスルーするというのは端的に駄目なんだろうと思う。それは例えば、アレントがドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』の「大審問官」のパッセージについて、延々と言及を行っていることを無意味化してしまうことだ。http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20090618/1245290595で言及した古茂田宏「ハンナ・アーレントの革命論」もその区別を無視している。

On Revolution (Classic, 20th-Century, Penguin)
- 作者: Hannah Arendt
- 出版社/メーカー: Penguin Classics
- 発売日: 1991/06/01
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- 作者: ドストエフスキー,原卓也
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- 発売日: 1978/07/20
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- 作者: ドストエフスキー,原卓也
- 出版社/メーカー: 新潮社
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- 作者: ドストエフスキー,原卓也
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- 作者: 吉田傑俊,尾関周二,佐藤和夫
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受動的/能動的
寡黙/饒舌
(他者に対して)対等/(他者に対して)優位
といった差異を持つことになる。
不意討ち的に私を襲撃する情動で、compassionとは逆に何かを行うように私を急き立てるものとして、John D. Caputo神父(Against Ethics)が論じているobligation*3があるけれど、このobligationとcompassionとの関係をどう考えるべきか、というのは(私には)まだわからない。

- 作者: John D. Caputo
- 出版社/メーカー: Indiana University Press
- 発売日: 1993/10/22
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http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20060909/1157778917とhttp://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20060919/1158671904をマークしておく。
*1:See http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20090520/1242779562
*2:哲学や心理学について或る程度の知識を有している人は、アンリ・ワロンやモーリス・メルロ=ポンティを連想するのではないか。
*3:これも「義務」と安易に訳していいものかどうか。