「遺影」など

『毎日』の記事;


遺影:違法販売の容疑者逮捕 15年間7千万円以上 千葉
2009年2月14日 19時28分

 勝手に作った遺影を契約書を作らずに訪問販売したとして、千葉県警君津署は14日、写真販売業、友松恒夫容疑者(59)=同県船橋市習志野台4=を特定商取引法違反(書面不交付)容疑で逮捕したと発表した。同署は、友松容疑者が約15年間にわたって違法な販売を続け、県内3000人以上から7000万円以上を売り上げていたとみて調べている。

 逮捕容疑は、今月10日、同県君津市の無職男性(75)方で、男性の遺影用写真を訪問販売しようとした際、価格などを記した契約書を交付せずに販売したとしている。

 同署によると、友松容疑者は1月下旬に男性宅を訪れ、「写真販売の見本にしたい」と言って男性を撮影し、自宅で遺影用に加工。10日に再び男性宅を訪ねて「通常2万8000円だが2万円で販売する」と持ちかけたという。友松容疑者は「15年前に勤めていた写真会社が倒産し、金に困って始めた」と容疑を認めている。

 「市内で遺影を売り歩いている男がいる」との情報で警戒していた同署員が11日、偶然に男性宅を巡回訪問した際に遺影の話を聞き、代金を支払う予定だった年金受給日の13日に署員が待ち伏せして逮捕した。【斎藤有香】
http://mainichi.jp/select/today/news/20090215k0000m040037000c.html

http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20090212/1234410059で「葬式の記念写真」ということを言ったのだが。
「市内で遺影を売り歩いている男がいる」とはいっても、まだ存命なのだから、未来の「遺影」ではあってもまだ「遺影」ではないと思うのだが。
ところで、昔親戚の老人が死去して、そのとき「遺影」に適した写真がなかなかなくて、家中の者が古いアルバムとかをひっくり返したりして苦労したということがあった。この事件の被害者(?)の人もそういうことを心配していたのか。
写真術の発明が〈死者のメモリアル〉に与えた影響についてはたしか、関一敏氏が論じていたと思う。
また、写真を撮るということがかなりの下層の人たちにまで普及したのは戦争が関係ある。戦争が始まると、出征記念写真を撮る人が相次いで、町の写真館はとても儲かったということを聞いたことがある。その記念写真がそのまま「遺影」になってしまった人は多いわけだが。