- 作者: 堀江敏幸
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- 作者: 保坂和志
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堀江敏幸『河岸忘日抄』*1はあと数十頁を残して読むのが止まって、既に去年読んだ保坂和志『カンバセイション・ピース』を読み返したりしているが、先回りして、鷲田清一氏による『河岸忘日抄』への「解説」から引用;
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「リベラル」という英語の、辞書に掲げられた最初の意味が「気前のよい、物惜しみしない」であることは存外知られていない。リベラルなスポンサーとは気前のよい後援者のことであり、お金にリベラルであるとは金離れがよいということである。わたしたちは〈自由〉ということで、何かが自分のおもいどおりになること、意のままにできることとおもいがちであるが、そのように自分を囲う、自分の意志を拡張してゆくのではなく、逆に自分をほどき、みずからのまなざしをまずは他者に贈りとどけるような自由、他者を押しのけるのではなく遠くから見つめるともなく見つめる自由というものがあるのではないか。鷹揚さ、気前のよさという〈自由〉である。それはほとんど、寛容(generosity)にひとしい。(pp.405-406)