ロバート・プラントの老いとか

Raising Sand (Ocrd)

Raising Sand (Ocrd)

プラントとアリソン・クラウスRaising Sand*1 を巡って、http://d.hatena.ne.jp/sasacky/20071202で、プラントの老いについて言及されていた*2。さて、ロバート・プラントの老いにショックを受けたのは実は20年以上も前。というか、ボンゾが亡くなる前だ。『ロッキング・オン』の表紙にどアップのプラントの写真が使われていて、顔の皺もあからさまに写し出されていた。一般に白人は亜細亜人に比べて老けてみえるとはいえ、当時これはかなりショックで、プラントの皺の一件は当時の『ロッキング・オン』でも言及されて、少しは話題になったはずだ。そういえば、ZEPの映画The Song Remains the SameのリマスターされたDVDが発売されたということだが、故淀川長治先生がこの映画に関して、ロバート・プラントの裸体に萌えまくりの文章をどこかで書いていたのではないかということを思い出した。さて、スクリッティ・ポリッティWhite Bread Black Beer *3開封して聴き始める。スクリッティ・ポリッティとはいっても、グリーンが独りで宅録したもの。聴いてみて感じたのは軽い違和感。グリーンの透明な声の質は昔のままだし、歌い方も洗練の度を重ねている。しかし、静謐すぎないか。スクリッティ・ポリッティが昔持っていた暴力性が消え失せている。また、アコースティック・ギターをフィーチャーした曲が目立つのもこのアルバムの特徴か。昔のスクリッティ・ポリッティを彷彿させるということでは、”Dr. Abernathy”と”Mrs. Hughes”だろうか。特に”Dr. Abernathy”*4は歌詞もドラッグを巡るものであり、ヘーゲルへの言及もある(”the owl of Minerva”)。
アルバム・タイトルのWhite Bread Black Beer、ここから誰でも白/黒、液体/固体という対立を読み取ることができるだろう。白/黒は白人/黒人でもあるし、或いはさらに英国/米国? しかしながら、グリーンはかつて”I’m in love with a Jacques Derrida.”と歌っているので、こうした対立はなし崩しにされうるものであることはいうまでもあるまい。
ソングス・トゥ・リメンバー

ソングス・トゥ・リメンバー

*1:Cf. http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20071204/1196794154

*2:そういえば、ここではアルバム・タイトルが『ライジング・サン』と書かれている。これだと、アニマルズの「朝日のあたる家」、或いは日の出づる国・ニッポンになってしまう。Raising Sandは砂を巻き上げてといった意味か。

*3:Cf. http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20071119/1195435621

*4:英和辞典を引いてみたら、Mr. Abernathyという漫画があるそうな。