顕著、躊躇、遵守

http://d.hatena.ne.jp/kamayan/20070911#1189462525に、安倍晋三首相が「顕著」を「ちゅうちょ」と読み間違え、「遵守」を「そんしゅ」と読み間違えたとする2ちゃんねるの断片が引用されている。カマヤン曰く、「安倍晋三が、顕著を“ちゅうちょ”、遵守を”そんしゅ”と言い間違えるというのは、実にありそうだが、どこでのことなのかわかる方はいらっしゃるだろうか?」後者は仕方がないだろう。たしか、「遵」は常用漢字ではない筈。昔国労が順法闘争というのをやっていたが、これも正しくは遵法闘争である。ちゃんと原稿に振り仮名を振っておかないスタッフが悪いといえるだろう。アイドルのマネージャーなら当然している苦労を惜しんではならない。それよりも問題なのは、「顕著」を「ちゅうちょ」と間違った方。顕著と躊躇はそもそも用法が違う。どちらも取り敢えずは名詞なのだろうけど、顕著は「な」を伴って、学校文法でいうところの形容動詞、日本語教育でいうところのな形容詞を形づくる。他方、躊躇は「する」を伴って動詞を形づくる。顕著に動詞化する用法はないし、躊躇に形容詞化する用法はない。この誤用は語彙だけでなく文法に関わっている。こちらの方がやばいぞ。
ところで、拙blogへの、「レジューム」を検索語にしたアクセスがhttp://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20070906/1189082768以来かなりある。これは、引用されている間に(無学な大衆によって)「レジーム」が「レジューム」になったのか、それともオリジナル(安倍晋三)の段階で既に「レジューム」だったのかわからない。どっちなの?