「美麗・武器・野獣」/「我、図画製作人」

金曜日は茂名北路の新しいギャラリー「安杰当代藝術画廊(Andrew James Art)」*1の周鉄倫「美麗・武器・野獣(Beauty, Weapon & Beast)」を観に行く。展示された12枚の油絵は文字通り、美女と兵器と獣の絵*2。絵には、余計な解釈を封じ込めるかのように、文字が書き込まれている。例えば、ゴリラの絵に「金剛」すなわちKing Kongとか。画面の処理の仕方にはフランシス・ベーコンの影響を感じたが、それは私の錯覚? 周鉄倫は1983年杭州生まれ、中国美術学院卒業。カタログには掲載されているが展示されていなかった作品、「美女関」、「英雄関」はネタとしてかなりデリケート。
それから、延安中路を渡って、Stir Art Gallery*3へ。馮健偉「我、図画製作人(Me, The Picture Maker)」*4。街頭の広告やウェブ・ページを地に、(油絵による)花鳥や山水を図として配置。現代を象徴する事物と伝統中国の記号をコラージュするという手法は、上記の周鉄倫の場合もそうだが、中国の現代アートとしてはありふれているといえばありふれている。しかしながら、この「我、図画製作人(Me, The Picture Maker)」というタイトルは、そうしたありふれていることをも対象化しつつ引き受けてしまうメタな態度を感じさせる。馮健偉は1968年広州生まれで、米国加州に留学後、現在は上海に在住。

*1:http://www.andrewjamesart.com/ また、Jenny Hammond “Shanghai art capital of future?” Shanghai Daily 30 June- 1 July 2007

*2:Cf. http://www.andrewjamesart.com/chinesecontemporary/zhou_yilun.htm

*3:http://www.stir-art.com/

*4:http://www.stir-art.com/exhibit9.shtml