Ruth Ecklandに簡策

ギャラリーを2軒廻る。どちらも日本滞在中にスタートしたため、オープニングには行けなかった。
Stir Gallery*1のRuth Eckland Hive(『蜂巣』)。Matt DiFonzo(音楽)と馮健偉*2(絵画)がコラボレーションしている。ヴィデオを使ったインスタレーション。ここで「蜂の巣」というのは「現代生活のリアリティを特徴づける諸分裂と断片化」のメタファーだということだが、私は寧ろ立体性或いは複雑性を意味しているのではないかと思った。次々と断片的なイメージが現れていくこのインスタレーションでは、光(イメージ)が通過するスクリーンが何枚も重ねられることによって立体的(3D)効果がもたらされている。平面性から(「蜂の巣」のような)立体性へ。

Andrew James Art*3の簡策(Jian Ce)Marco Polo: A Travel Guide(『馬可・波羅:旅行指南』)。簡策は1984年に山東省済南に生まれ、1988年に独逸へ移住。現在は伯林に在住している。これが中国における最初の個展となる。異邦人の視点(マルコ・ポーロ的視点?)による上海スケッチ集。「外灘」「老市区」「仏蘭西租界」「浦東」「料理」「文化」「旅行者のための一般的アドヴァイス」からなる。特徴としては、少なからぬ絵で印象派的な技法がパスティーシュされていること。尤もその光と色彩の加減にデヴィッド・ホックニー的なものを感じてしまったが。なお、この展覧会のカタログはブックレットとして素晴らしい。