『夢游』など

土曜日は先ずStir Gallery*1の商徐宏(Xuhong SHANG)*2 『夢游(Sleepwalk)』。これはオープニングには行けなかった。商徐宏の世界は黒と白からなる。黒く塗りつぶしたカンヴァスの上方に月が描かれた「月光(Moon Beam)」シリーズ。このシリーズでは「月光」によって切り裂かれたかのようにカンヴァスが引き裂かれている。静と動の同時存在。また、「幾乎(Virtual)」シリーズ。白いカンヴァスに曖昧な黒点が散りばめられ、遠近感が破壊され、苛つくと同時に画面に吸い込まれていく。

それから、Andrew James Art*3の周軼倫『喜新不厭旧(Embrace the New But Don't Discard The Old)』。ここでの主題は額縁。古く薄汚れた額縁。額縁の内側には様々なネタの絵画。ヨーロッパの風景画の中にジェット旅客機が墜落していたり、山水画の中からミサイルが発射されたり、シャネルやフェラガモのモデルが猿にされていたり、古新聞の上に昆虫の交尾の落書きがされていたり。一連の作品を通して、内/外、新/旧、ルーティンなもの/新規なものといった対立が浮かび上がってくる。