Kronos Quartetを観る

承前*1

日曜日、上海音楽庁でクロノス・カルテットのライヴを観る。
1曲目はイラク民謡の”Oh Mother, the Handsome Man Tortures Me”。次いで、シガー・ロスの”Flugufrelsarinn(The Fly Freer)”。ここで、”Jimi Hendrix of pipa”、”Yo-Yo Ma of pipa”という紹介とともに、呉蛮が呼び出される。そして、印度映画音楽のRahul Dev Burmanの”Mehbooba Mehbooba(Beloved, O Beloved)”。個人的には祝祭的な雰囲気が充満のこの曲がいちばん楽しかった。そして、Jack Bodyの”Lon-ge”を挟んで、呉蛮のオリジナル「吶喊(Ambush Again)」、中国のご詠歌?「南無〓*2弥達(Namu Amida)」。テリー・ライリーのThe Cusp of Magicから”The Cusp of Magic”、”The Nursery”、”Prayer Circle”が演奏されて、第1部は終了。第2部は譚盾の『鬼戯(Ghost Opera)』。これはCDでも聴いているし、DVDでも観ている。しかし、改めてライヴで観ると、プレイヤーの動作、表情、息遣いに直接居合わせるということはやはり違うなと思ってしまう。呉蛮はこの曲に引用された河北省の民謡「小白菜」を歌うのだが、改めてその〈歌唱力〉に気付く。アンコールは先ず呉蛮がソロで1曲弾いて、次にクロノス・カルテット。クロノスが選んだのはジミ・ヘンドリックスの「紫のけむり(Purple Haze)」。これは以前CDで聴いたときよりも数段パワフルな印象を受けた。というよりも、そこに響いていたのは紛れもないロックだった。
『鬼戯(Ghost Opera)』でDavid Harringtonは水盤の水を掻き混ぜるという〈演奏〉をする。帰りがけに、その水盤の水を係員の人が排水溝に捨てているのを見た。

*1:http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20070301/1172747706

*2:プログラムの表記ではくちへん+阿。また陀ではなく達。