佐藤みどり on history of rock

紫のけむり?現代の弦楽四重奏曲/クロノス・クァルテット

紫のけむり?現代の弦楽四重奏曲/クロノス・クァルテット

久しぶりに、Kronos QuartetのGlass, Hendrix, Sculthorpe, Sallinen, Nancarrowを聴く。そのライナー・ノーツで、 佐藤みどりという方がジミ・ヘンドリックスの”Purple Haze”に触れて、


1962年のビートルズのデビューから、1966〜68年のサイケデリック・ムーヴメントの時代にかけては、ロックにおけるロマン派時代であったと言う事が出来よう。この時期に他のあらゆるジャンルの音楽との実験的な融合をはかりつつ、ロックはその音楽としての語彙を急速に拡大していった。その究極にあったのが《サイケデリック・ムーヴメント》であり、その後、流れはブルースや初期のロックへの回帰といった新古典主義的な方向へと傾いていった。さらに1970年代以降のロック界では、むしろ既に確立された語法を自己表現の中でいかに活用してゆくか、表現をいかに洗練・深化させてゆくか、といった点に関心は移っていった。
と書いている。ジミ・ヘンドリックスがデビューした1967年は「ロックにおけるロマン主義の時代が終焉を迎えようとしていた」時代ということになる。
”Purple Haze”は、クロノス・カルテットの昨年の上海でのライヴでもアンコールで演奏された*1