印象操作の事例

『読売』の記事なり;


脳外科医かたり女性多数から2億詐取、無職男を追送検
 国立大病院の脳外科医になりすまし、女性から金をだまし取ったとして福岡県警前原(まえばる)署に逮捕された男が、東京や大阪、宮崎など9都府県で約7年間にわたり、同様の手口で約2億円を詐取したと供述していることがわかった。

 被害者は約120人に上るとみられ、同署は裏付けが取れた女性4人に対する約5600万円分について、詐欺容疑で福岡地検に追送検した。

 追送検されたのは、大阪府出身で住所不定、無職吉本敏喜被告(49)(詐欺罪で起訴済み)。吉本被告は昨年8月、福岡市のホテルで、インターネットで知り合った福岡県内の女性(当時45歳)に「手術ミスに備えて保険料を支払う必要がある」と説明し、380万円をだまし取ったとして4月に逮捕された。

 被害者は主に30〜40歳代の女性で、吉本被告はだまし取った金を高級ホテルの宿泊代や飲食費、競艇につぎ込み、逮捕時には二十数万円しか残っていなかった。

(2006年11月23日9時51分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20061123i202.htm

昔はこの手の詐欺というと、カメハメハ大王の末裔だとか英国王室関係者だとかCIAの工作員とかいうのがあったように記憶しているが、「脳外科医」というのは何だか中途半端に現実的だなという印象も喚起する。吉本敏喜というのは、ともかく如何にして外科医として見えるかということを体得していたともいえる。被害者にナースのような医療関係者がいたのかどうかはわからないけれど。外科医ということで、『白い巨塔』を手本にしたのかと一瞬思ったが、7年前からだということなので、学習の教材はほかにあるということである。
ところで、カマヤンは「ところで、「印象操作」というコトバをここ2年くらいでしきりに聞くようになったけど、これって、朝鮮由来かな。ネトウヨ系が目を三角にしてよくいってるけど。 日本語ならイメージ操作とかいう言い方が昔からあったと思うけどさ」という2ちゃんねる言説を引きながら、「「印象操作」なんていう馴染みの悪い気色悪い造語を素で使える言語感覚は、少なくとも日本語に愛情があるとはあまり思えない」と書いている*1。少なくとも、社会学的世界(の一部?)では、「印象操作」という言葉はGoffman用語のimpression managementの訳語として定着しているのではないかと思うけれど、如何? 文句があるなら、石黒毅先生にいえばいいんですよね。それとも、Goffmanにはご不満?と西原的ギャグ。