志水紀代子

吉田朋子、坂本信弘「追悼・志水紀代子先生」https://hakutakusha.hatenablog.com/entry/2024/04/15/182351


哲学者の志水紀代子さん*1が他界したという。但し、新聞などのメディアの報道等は確認していない。
上掲のエントリーでも言及されているように、志水さんは1980年代からハンナ・アレントの研究を遂行してきた。東西冷戦が終結した1990年代の後半以降、アレントはポピュラーな思想家となり、21世紀の現在では〈誰もが読んでいる(筈)〉の思想家になっていると言えるだろう。しかし、1980年代においては、哲学や政治学といったディシプリンの中でもアレントを論じる人は少なかったのだ。そのこと自体が思想史的研究の対象になり得るといえるだろう。
但し、私は偏にその怠慢のために、志水さんの先駆的な仕事を吸収することが殆どできなかった。多分『ハンナ・アーレントフェミニズム*2の訳業以外は。これについては後悔しかない。