関西弁?

Via 「藤田文武や吉村洋文が「シュッとしてる」って?(笑)」https://kojitaken.hatenablog.com/entry/2024/02/01/084226

「シュッとしている」って関西弁なの?

張英壽「「シュッとしている」野菜や文字にも…広まる新関西弁」https://www.sankei.com/article/20181120-6YPXZY2LRBNILCOBNYVVHTRUMI/


曰く、


大阪・梅田(大阪市北区)と難波(同市中央区)の街頭で、計30人の大阪府民(19~72歳の男女)に質問したところ、9割近い26人が使用していた。


 「『あの人シュッとしてはるな』というように使う。ほっそりしていて、スタイリッシュ。顔に対しても使い、細面、しょうゆ顔、色白といった意味合い。髪にも用い、整っているということ」


 堺市南区のアパレル販売員の女性(37)はこう説明してくれた。仕事で客に洋服をコーディネートするときも、「こうしたらシュッとなります」と話すという。この場合は「すらっと見える」という意味だそうだ。


 女性によると、「ビルがシュッとしている」(細い、長い)や「シュッとした道」(細い)という言い方もするという。「おばちゃんも使うし、同年代でも言う。気持ちに入ってくるし、気がついたら使っている。大阪では広く用いられていると思う」と語った。


 堺市堺区の会社員の男性(30)は「シュッとしている犬」という言い方もするといい、「筋肉質で細い感じ」と説明した。「シュッとした仕事をする」と表現するという大阪府和泉市の会社員の男性(53)は「手際がよく、いい意味で要領よくこなすこと」と教えてくれた。


 大阪市東淀川区の建設会社員の男性(42)は「『どこそこの息子さんは散髪してシュッとしている』と使う。この場合は『男前』ということ」と説明。「『ハンサム』『かっこいい』『クール』『清潔感がある』ということで、高校生くらいまで服装がだらしないと、母親に『あんたなあ、シュッとせな(しないと)』と言われた」と懐かしげに振り返った。

 30人の回答では、「あの人はシュッとしている」というように人物に使うケースが圧倒的に多かった。意味としては、すでに紹介した4人の説明以外に「すらっとしている」「背が高い」「スマート」「まとまっている」「すっきりしている」「しゃきっとしている」「スタイルがいい」「顔が小さい」など。顔については入っていないとする意見と、整った顔にも使うとする声があった。


街頭調査では年配の人も使うと回答しており、大阪市天王寺区に住む60代後半のパート勤務の女性は「昔は(こういう言い方は)なかった気がするけど、30代の頃には使っていた」と思い出した。

ただ、質問した30人のうち、「使わない」と回答した4人は、50歳から72歳で、男性3人、女性1人。「意味がわからない」「初めて聞いた」などと答えており、この年代はより若い世代に比べると、浸透度が高くない可能性がある。

ところで、インターネット上でも「シュッとしている」は頻繁に用いられ、ツイッターでは、毎日、この言葉が書き込まれている。あるサイトでは、東北や関東、東京、静岡県、名古屋でも使うと書き込まれ、意味や使い方についてやりとりしていた。

 実際、大阪(伊丹)空港で、関西以外の10人に尋ねてみたところ、東北や東京、九州在住者の4人から「使う」という回答があった。

 東京都世田谷区の主婦(38)は「男の人に対してたまに使う。『細い』とか『(背が)高い』という意味」、福島市の会社員の女性(38)は「細いという意味で、男女どちらにも使う」と答えた。

 残り6人は「使わない」だったが、うち4人は、テレビで関西系の芸能人がこの言葉を話していることなどから、意味は知っていた。


人物やモノを評価するこの「シュッとしている」という言葉はどこからきたのだろうか。広辞苑岩波書店)や、全14巻の日本国語大辞典第二版(小学館)、さらに「大阪ことば事典」(講談社学術文庫)で調べても、この言葉は掲載されていなかった。ただ、日本国語大辞典第二版では、「すばやく、勢いよくこすれる音や、気体が勢いよく出る音などを表す語」と解説する副詞の「しゅっと」は掲載されていた。

大阪弁を研究している桃山学院大の村中淑子(としこ)教授(方言学)が、書籍や雑誌、新聞、ブログなどの1億語以上を収めた国立国語研究所のデータベース「現代日本語書き言葉均衡コーパス」で調べたところ、38件の使用例が見つかったが、「シュッとひと吹き」のような言い方がほとんどで、人の見かけについて形容していたのはブログ1件だけだったという。


 自身もこの言葉を使うという村中教授は「ごく普通に使われているので、辞書に掲載されていないのが不思議なくらいだが、昔からの関西弁ではなさそうだ。この言葉を対象にした研究はなく、語源も不明だが、この20~30年ほどの間に使用されるようになったのだろう」と推測する。


 「シュッとしている」は、「シャキシャキ」「こつこつ」などと同様に、オノマトぺ(擬音語・擬態語)の一種とみられる。 


 村中教授は「関西弁では、物事を説明する場合、『ガーッと行って』などとオノマトぺを使う傾向がある。『シュッとしている人』は、『スマートな人』などというより、インパクトが強く記憶に残りやすい。関西の芸能人が全国ネットのテレビ番組でこの言葉を使い、東京などに広がっているのではないか」とみる。

私の経験で「シュッとして」という言葉が印象に残ったのは、Eテレの『いすのまちのコッシー』*1だった。多分2013年か14年のこと。記憶の限りでは、「標準語」の「勢いよく」という意味よりは関西弁の「細い」とか「長い」という意味に近かった気がする。さて、昔から


シュッ


というオノマトペは使っていた。まだ煙草を吸っていた頃、100円ライターで火を点けるとき、100円ライターのオノマトペ


カシャッ


だけど、火を点けながら、


シュッ


と一言いうと、ダン・ヒルとか、そういう高級ライターを使っている気分になる。井上ひさしによると、ライターを点ける音にこのオノマトペを使うのは、さいとうたかをの『ゴルゴ13』に遡るという(『自家製文章読本』)。