人は運ばず

モディ「暮らしを支える京葉臨海鉄道」『ちいき新聞』2023年8月11日


貨物専用鉄道「京葉臨海鉄道*1蘇我*2~京葉久保田)について。


戦後から始まった京葉臨海工業地帯の造成に伴い、日本国有鉄道(当時)や千葉県、進出企業が出資をして1962(昭和37)年に設立されたのが京葉臨海鉄道。今年で創立61年と、国内にある9つの臨海鉄道(※貨物輸送を行うために臨海部に設置された鉄道)の中で最も歴史が古い鉄道です。
輸送(発送)の8割を占めるのがガソリンや石油、灯油、重油などの石油製品。千葉市市原市袖ヶ浦市にまたがる京葉臨海工業地帯の石油精製会社近くに9つの駅を構え、各駅から運ばれた貨物を「千葉貨物駅」で連結し、蘇我駅へ。そこからJR貨物にバトンタッチして全国に運ばれます。
残りの2割はコンテナで、中身は化石燃料から作られる樹脂をはじめとする工業物資、飲料水や耐火レンガといった生活物資など。一方で全国から届く貨物(到着)は半数をコンテナが占めており、生野菜や砂糖、米などの食料品なども含まれています。
2022年度までの累積輸送量は1億1892万トンにも上り、千葉に住む人たちの生活を支えています。

貨物列車での輸送のメリットは、大量輸送、環境性、時間正確性の3点。1両のディーゼル機関車で最大22台のタンクをけん引でき、一度に1320トンもの石油製品を運ぶことができます。さらに、トラックと比べてCO2の排出量が少ないため、環境にも優しく、渋滞などの影響を受けず、荒天時を除けば時間通りの運搬が可能だといいます。