「学術文庫」から!

松原岩五郎 の『最暗黒の東京』が講談社学術文庫から出ていることを知る*1。私はかなり以前に岩波文庫で読んだ。これは、横山源之助の『日本の下層社会』*2とともに、明治期の「下層社会」レポートの代表とされる。私が最初に読んだときに感じたのは松原のうきうき感のようなものだった。何というか、〈川口浩〉的というか、〈探検隊〉的ノリというか。こうしたノリは、現在においては倫理的・政治的な非難の対象となるものだろう。また、こうした「下層」への眼差しはそれ以前に存在したものなのだろうか? なお、松原や横山を含む「下層社会」探訪ディスクールをまとめて紹介した本として、紀田順一郎*3『東京の下層社会』がある。