入れない博物館

Gordon Corera “CIA museum: Inside the world's most top secret museum” https://www.bbc.com/news/world-us-canada-63023876


ヴァージニア州のCIA本部には博物館が併設されているが、それはCIA職員や工作員の研修用であって、一般には公開されていない。しかし、CIA創設75周年を記念して、メディア関係者への特別公開が行われた。
創設以来CIAが関わってきた様々な作戦が、成功したのも失敗したのも、展示されている。勿論、盗撮用のカメラなどのスパイ・ガジェットも。ただ、外部の人間はそもそも締め出されているので、プロパガンダ的配慮は必要ないにも拘らず、その評価が議論の対象になっているような出来事、例えば1953年にイランの民主的に選出された政府を転覆した陰謀などは目立たなくなっている。また、イスラーム革命後の駐イラン米国大使館占拠事件における外交官救出作戦は(ハリウッド映画にもなっているのに)直接の展示ではなく、Argoという架空の映画のための「コンセプチュアル・アート」というわかりにくい展示になっているという。
いちばん目を引いたのは、2011年のオサマ・ビンラディン殲滅作戦*1ジオラマで再現されていることだという。また、今年7月にカブールで行われたアルカイダ頭目、アイマン・アル=ザワヒリ殺害に先立ってバイデン大統領へのブリーフィングに使われたザワヒリの住居の模型も展示されている。
このCIA博物館が一般観光客にも開放されるのは世界革命の後だろうか?