森英恵

『読売新聞』の記事;


日本の伝統美、あでやかに表現…デザイナー・森英恵さん死去
8/18(木) 2:02配信



読売新聞オンライン

 日本を代表するファッションデザイナーで文化勲章受章者の森英恵(もり・はなえ)さん*1が11日、老衰のため死去した。96歳だった。葬儀は近親者で済ませた。

 島根県生まれ。東京女子大を卒業し、結婚後に洋裁を学んだ。1951年、東京・新宿に洋裁店を開いた。映画「太陽の季節*2や「狂った果実*3など数多くの衣装も手がけた。

 65年には、米ニューヨークで初の海外コレクションを発表した。美しく羽ばたくチョウをモチーフに、日本の伝統美をあでやかな色彩で表現した。チョウをあしらったデザインはブランドの代名詞となった。

 77年には、高級注文服をつくるデザイナーたちのパリ・オートクチュール組合に、日本人として初めて加入が認められた。2002年に経営難から「ハナエ・モリ」は民事再生法の適用を申請したが、04年までパリでショーを開いて新作を発表した。

 ほかにも、皇后雅子さまのご成婚時のローブデコルテや、バルセロナ五輪日本選手団のユニホーム、日本航空の客室乗務員の制服など、その時代を象徴する場面で記憶に残る服をデザインした。1996年に服飾デザイン分野で初の文化勲章を受章した。
https://news.yahoo.co.jp/articles/1b59674fb7c4e4c400c35df681c96d0f19ec662e

山陰中央新報』;

森英恵さん死去、モチーフの原点は「子どものころの原風景」 故郷に舞うチョウ
8/18(木) 20:25配信



山陰中央新報

 「チョウや花といったモチーフの原点は、子どものころの原風景にある」。死去したファッションデザイナーの森英恵さんは2015年、島根県芸術文化センターグラントワ益田市有明町)で開かれた企画展を前に語った。原風景は山あいの故郷・吉賀町六日市。活躍した仏・パリ、米・ニューヨークの都会的情景とは対極にあるが、美意識の根源であり続けた。

 生家跡は六日市中心部にあり、今は花木が植わるフラワーガーデンとなっている。森さんの厚意を受け約20年前、吉賀町商工会などが整備した。管理に携わった六日市婦人会の福原妙子元会長(90)は、十数年前に帰郷した森さんを思い出し「懐かしそうにほほ笑み『きれいにしてくれてありがとう』と声を掛けられた」としのんだ。

 六日市は標高310メートルの山口県境付近にある盆地。生家跡の近くを清流・高津川が流れる。娯楽に乏しい昭和の中ほどまで子どもは夏に高津川で泳ぎ、秋は栗やアケビなど山の幸を楽しんだという。

 問題は冬。「雪や木枯らしが少ない今と、森さんがいたころと違うはず」と、生家跡近くでスナックを営む吉村新一さん(80)が話す。かつての冬は厳しく、よく雪が子どもの胸ぐらいの高さに積もり、雪かきや雪下ろしに追われた。10月に出したこたつや火鉢は、翌年の梅雨ごろまで使った。

 つらい冬が終わり春が来る。少女時代の森さんが六日市で見て後にトレードマークとなったチョウと花は、喜びと幸福をもたらす使者のように映ったのだろう。
https://news.yahoo.co.jp/articles/b86ab9f7a16dfcd971722c90e840652c5d5b66cf

See also


Justin McCurry “Hanae Mori, renowned Japanese fashion designer, dies at 96” https://www.theguardian.com/world/2022/aug/18/hanae-mori-renowned-japanese-fashion-designer-dies-at-96


さて、21世紀の東京オリンピックのユニフォームはAOKIなのだった;


AOKI汚職 東京五輪の公式服装 1600人分を製作、自社マーク入れず 「総力戦の作品」に汚点
8/17(水) 22:21配信



カナロコ by 神奈川新聞

 東京五輪パラリンピックの大会スポンサー、AOKIグループの元トップらが逮捕された汚職事件。日本選手団が開会式などで身を包んだ公式服装は、AOKIが「総力戦」で手がけた作品だった。

 ニッポンを纏(まと)う─。日本オリンピック委員会(JOC)などが提示した公式服装のテーマに対し、AOKIは白のジャケットと赤いパンツなどの組み合わせを選択。2019年の公募で製作の権利を勝ち取った。

 着用の対象となるアスリートらは約1600人に上った。同社は、経験豊富な社員らによる特別チームを組織。短時間で各選手の採寸を行い、要望を聞き取ってこだわりの1着を次々と仕上げていった。

 公式服装にAOKIのマークは入っていない。製作に携わった1人は昨夏、神奈川新聞社の取材に対して、商売が目的ではないと強調。「ただ選手を応援したいという気持ちだけで取り組んだ」と語っていた。

 しかし、その過程でやりとりされた不透明な資金に捜査の手が伸びた。公式服装の公募に参加した経験のある企業の関係者は「公平公正をうたう祭典の舞台で不正があったとすれば、ただただ残念」と話した。
https://news.yahoo.co.jp/articles/bc86caf9727981ecedaf0058fbc6ec514cb2fb51