グレーバー本

yomoyomo*1「デヴィッド・グレーバーの遺作(今度こそ)『海賊の啓蒙、もしくは真のリバタリア』が来年はじめに出る 」https://yamdas.hatenablog.com/entry/20220601/pirate-enlightenment


デヴィッド・グレーバー*2の「遺作」、Pirate Enlightenment, or the Real Libertalia,について。


最初、これまで書籍に収録されていない短い文章をかきあつめた本じゃないかと思ったのだが、グレーバーは大学院時代にマダガスカル民族誌的な現地調査を行い、それを基に博士論文を執筆している。彼の人類学者としてのキャリア初期の仕事の書籍化ということかな?

内容的には彼が遭遇したの海賊の子孫の混血からなる民族であるザナ・マラタ族を研究したものらしいが、「海賊」という存在が長年フィクションでファンタジー化してきた理由である、その自治オルタナティブな社会形成は、いかにもアナーキストとしてのグレーバーが興味を持ちそうに思える。

なお、書名にある「リバタリア」だけど、てっきりリバタリアンの誤記かと思いきや、『海賊史』に登場する海賊のユートピアの名前なんですね。

「 リバタリア」について、Wikipediaに曰く、

リバタリア(Libertalia)とは、キャプテン・チャールズ・ジョンソンによる海賊の伝記集『海賊史』の第二巻に登場する海賊のユートピアのことである。

リバタリアは18世紀フランス人の海賊ミッソンと修道士のカラチオーリによってマダガスカル島に建設された。リバタリアは当時の一般的な通念である奴隷制専制主義などを否定し自由や平等、民主主義などの価値観を重視していた。またリバタリアの住人達は既存の人種区分を嫌悪し自らをリベリと称した。最終的にリバタリアは彼らを恐れたマダガスカルの先住民達により破壊されたという。

リバタリアについて記された史料は『海賊史』以外に存在せず現代の研究者はリバタリアおよび創設者のミッソンはジョンソンによる創作だと考えている。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%83%90%E3%82%BF%E3%83%AA%E3%82%A2

また、David Graeber and archaeologist David Wengrow The Dawn of Everything: A New History of Humanityについて;


「デヴィッド・グレーバーの遺作を知り、ブレイディみかこさんに謝りたくなったのを思い出した」https://yamdas.hatenablog.com/entry/20211104/anarchic-empathy