椙山浩一

『日刊スポーツ』の記事;


ドラクエ」など作曲家すぎやまこういち氏敗血症性ショックで死去 90歳
[2021年10月7日15時40分]


人気ロールプレーイングゲーム「ドラゴンクエスト」(ドラクエ)シリーズやザ・ピーナッツ恋のフーガ」、ヴィレッジ・シンガーズ亜麻色の髪の乙女」などで知られる作曲家のすぎやまこういち(本名・椙山浩一)さん*1が9月30日、敗血症性ショックのため死去した。90歳だった。

7日、スクウェア・エニックスの同ゲーム公式サイトで発表された。葬儀、告別式は親族と近親者で執り行われた。後日、お別れの会を予定している。

同サイトでは「『ドラゴンクエスト』シリーズの500曲以上に及ぶ楽曲のすべてをおひとりで作曲されており、制作中の『ドラゴンクエストXII 選ばれし運命の炎』の作曲が最後のお仕事となりました。これからも共にご制作いただきたく思っていたので、誠に残念でなりませんが、『ドラゴンクエスト』の音楽は永遠に皆様の記憶の中にあり、『ドラゴンクエスト』のゲームの世界でいつまでも生き続けてまいります。すぎやまこういち氏の生前のご功績に対する心からの敬意と感謝とともに、謹んで哀悼の意を表します」などとつづられた。

フジテレビのディレクターを経て、作曲活動に専念。20年、文化功労者に選出された。ドラクエの楽曲は東京オリンピック(五輪)の入場曲にも使用された。東京・中山競馬場などのG1レースなどで使用されるファンファーレも作曲した。

すぎやまこういち(本名椙山浩一)1931年(昭6)4月11日、東京都生まれ。音楽好きの家庭に生まれ、幼少からクラシックなどに親しむ。東大卒業後、文化放送、フジテレビでディレクターを務め、フジテレビ時代は「ザ・ヒットパレード」に携わり、テーマ曲を作曲。沢田研二らによるバンド「ザ・タイガース」の名付け親で、「君だけに愛を」などグループサウンズのヒット曲や、「亜麻色の髪の乙女」などを作曲。86年、ゲームのテーマ曲「ドラゴンクエスト序曲」を作曲。16年、最高齢のゲーム音楽作曲家としてギネス世界記録に認定された。18年、旭日小綬章。昨年、文化功労者
https://www.nikkansports.com/entertainment/news/202110070000526.html

ザ・タイガースの「花の首飾り」、ヴィレッジ・シンガーズの「亜麻色の髪の乙女」、或いはガロの「学生街の喫茶店*2といった過去の偉業は勿論燦然と輝いている。しかし、21世紀において、「すぎやまこういち」という名前からイメージされるのはこういう名曲ではなく、極右的な政治思想と実践なのだ。なので、冥福を祈りたいとは思わない。これについて、偏屈な心だと誹られても、甘んじて受ける。
上の『日刊スポーツ』の記事でも、また最初に読んだNHKの報道でも*3、極右政治のことはスルーされている。スルーした気持ちはわからないではないけど、ウヨ的には球団の対象となるのだろう。亡国的な世論に配慮して、その政治思想を隠蔽するのは故人に対する冒瀆だ、とか。
ところで、すぎやまこういちは何時頃から極右になったのか。Wikipediaで言及されているのは21世紀なってからのことなのだ;

国家基本問題研究所評議員教科書改善の会賛同者、「国籍法の是正を求める国民ネット」代表委員、歴史事実委員会委員、「安倍晋三総理大臣を求める民間人有志の会」発起人、朝日新聞を糺す国民会議代表呼びかけ人、放送法遵守を求める視聴者の会呼びかけ人などを務め、その一員として活動を行っている。

政治家に対する直接的な支援としては、松原仁稲田朋美城内実などの応援曲の作曲を手掛けたほか、2012年には稲田に計250万円(夫人・之子名義のものを含めると計450万円)、安倍晋三に計160万円、中山成彬に130万円、中山恭子に80万円、赤池誠章に50万円を献金するなど、金銭面での支援も行っている。

ニューヨーク・タイムズ紙やワシントン・ポスト紙に、「南京事件の被害者が30万人という説、およびそれに基づく日本軍の虐殺行為は事実として認められない」という趣旨の意見広告を載せようとし、一度は断られたが]、2007年6月14日付ワシントン・ポスト紙に歴史事実委員会名義で「THE FACTS」(慰安婦問題について強制性はなかったとし、アメリカ合衆国下院121号決議案採択阻止を目指す目的の意見広告)が掲載された。これを主導し、広告費全額を負担したのはすぎやまである。決議案は採択されたが、すぎやまは「広告掲載を受けて当時の下院採決には十数人しか出席しなかった。広告には効果があった」と主張している。

2010年2月、三橋貴明西村幸祐らと共に、「日本人による日本人のためのメディア」という趣旨の下、“メディアを監視する”ウェブサイト「メディア・パトロール・ジャパン」(MPJ。2021年7月現在ウェブサイトは消滅) を立ち上げ、コラムを執筆している。5月、藤井厳喜西村幸祐鳩山由紀夫を「公職選挙法違反」の容疑で告発した際、署名の中にすぎやまも名を連ねた。2015年11月には放送局に放送法遵守を求める「放送法遵守を求める視聴者の会」を興した。

いわゆる一票の格差是正に向けた「一票の格差を考える会」の発起人となり、2000年2月より意見広告、情報収集、ラッピングバスキャンペーンなどを展開していたが、2017年12月に活動終了を報告した。この活動については、すぎやまの公式ウェブサイトからもリンクが貼られている。

2015年7月に放送されたチャンネル桜の「日いずる国より」内の杉田水脈との対談で、杉田の反LGBT発言に同調。3年後の2018年、この様子がTwitterで拡散され、話題になった。スクウェア・エニックスはAnime News Networkの取材に対し、『個人の見解は、会社の見解・活動を代弁するものではありません。スクウェア・エニックスは様々な信条、性的指向、性同一性を有するスタッフを多く採用しています。ポリシーの問題として、私たちはあらゆる差別・いやがらせを容認しておらず、世界中のすべての人の性的指向・性同一性の多様性を尊重しています。』と声明を出した一方、今後すぎやまとの関係を継続するかどうかの回答を避けた。それ以降もすぎやまはスクウェア・エニックスとの関係を継続しており、ドラゴンクエスト35周年特設ページにメッセージを寄せている。2020年東京オリンピック開会式に「序曲:ロトのテーマ」が使用された際、この件を再びクローズアップする一部メディアも存在した。