昨年『爆笑問題のニッポンの教養』という番組に坂本龍一が出演していたのだが*1、その中で爆笑問題が「戦場のメリー・クリスマス」の演奏を坂本に所望していた。世間では何故か坂本龍一=「戦メリ」というイメージがあるようなのだが、俺はあのテーマ曲をそれほどいい曲だとは思っていなかった。ところが、村治佳織『ポートレイツ』の1曲目に収録された「戦場のメリー・クリスマス」(佐藤弘和編曲)にはやられてしまった。繊細な音の粒子がくっきりと分離されつつ迫ってくるという感じだった。小沼純一氏のライナーノーツによれば、3曲目のエリック・クラプトンの”Tears in Heaven”は黒田恭一の「霊前」に捧げられたものであるという。また、武満徹編曲の、ダウナーでかなり脱力した「インターナショナル」もよろしい。
- 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
- 発売日: 2003/08/20
- メディア: DVD
- 購入: 1人 クリック: 22回
- この商品を含むブログ (31件) を見る
新聞やテレビなど多彩なメディアで、クラシック音楽のすそ野を広げてきた音楽評論家の黒田恭一(くろだ・きょういち)さんが、5月29日、多臓器不全のため都内の病院で死去した。71歳だった。葬儀は6日午前11時から東京都新宿区須賀町14の1の四谷たちばな会館で。喪主は妻志肇子(しげこ)さん。連絡先は渋谷区道玄坂2の24の1の東急文化村。
早稲田大在学中に音楽評論の道に入る。「20世紀の名演奏」(NHK・FM)などテレビやラジオで、カラヤンをはじめ巨匠たちの演奏の魅力をわかりやすく紹介した。すぎやまこういち作曲「交響組曲ドラゴンクエスト」のCD解説も担当した。
99年から東京・渋谷のオーチャードホールでプロデューサーを務め、ジャズやポップスを組み合わせた親しみやすいクラシックの公演を企画した。90年から95年まで朝日新聞のCD評者も担当。著書に「オペラへの招待」「はじめてのクラシック」など。