小泉カツミ「上白石萌歌の「スピッツ」呼び捨て発言が波紋…丁寧すぎる「さん付け」はむしろ失礼?」https://gendai.ismedia.jp/articles/-/82675
冒頭の部分を写しておく;
それで、「スピッツさん」と「さん」を付けなかったことが巷の議論の対象となったらしいのだ。無論、営利であれ非営利であれ、民であれ官であれ、団体や組織を表す集合名詞に「さん」を付ける必要はないと思う。付けなければ「失礼」とか、付ければ尊重の度合いが強まるということもないと思う。
4月9日放送の『Mステ』こと『ミュージックステーション(テレビ朝日系)』*1。女優で歌手でもある上白石萌歌が歌手名の『adieu(アデュー)』名義で登場し、大ファンだと言うバンド『スピッツ』*2と共演を果たした。彼女は、CMで『スピッツ』の『楓』などをカバーしたり、姉の上白石萌音とスピッツの楽曲をカバーしYouTubeで公表し、美しいハーモニーが話題を集めたりと、以前からファンであることを公言していた。
司会のタモリは、スピッツの草野マサムネに「(上白石が)スピッツのカバーをされているの知ってました?」と聞くと、草野は「むしろスピッツの『楓』より好きです」と答えた。
すると上白石は、
「スピッツは、私にとって神様的存在なので、神様からそんなお告げを頂いたんだと思うと、すごく震えるような気持ちです」と答えたのだ。『スピッツさん』ではなく『スピッツ』。ちょっと「あれ?」と思った方も多かっただろう。その後も、上白石は「スピッツ」と口にするたびに「さん」づけすることはなかった。
ただ、集合名詞に「さん」を付ける方言(文化)というのは知っている。昭和のサラリーマン方言。ただ、闇雲に「さん」を付けるのではなく、同一業界の競合他社に「さん」を付けるというものだった。例えば電通の関係者なら、博報堂や東急エージェンシーに「さん」を付ける。これは政界にも拡がって、政治家どもが互いに他の党派のことを、自民さんとか公明さんとか、呼び合うということもあったと思う。こうした方言(文化)が平成の30年を経て、さらに令和に至って、まだ生き残っているのかどうかはわからない。バンド名に「さん」を付けるのは、このサラリーマン方言の延長なのだろうか。その場合、ミュージシャン同士で、競合する他のバンドに「さん」を付けるということになるだろう。その場合、ファンは関係ない。