堀川紀夫

新潟日報』の記事;


半世紀前の美術作品 米国で再評価
上越・堀川紀夫さん作「石を送るメールアート」
2021/03/09 13:57


 新潟県上越市の美術家堀川紀夫さん(75)が1969年に手掛けた作品が、現代美術の本場である米国で再評価されている。テキサス州の個人美術館に作品が収蔵され、11月末まで展示されているほか、美術評論家らが執筆するインターネットのサイトでも紹介されている。

 堀川さんは大学時代から、社会情勢や政治に対して疑問を投げ掛ける前衛美術に取り組んできた。67年には県内の現代美術家集団「GUN」を結成し、既存の枠にとらわれない美術表現を地方から発信してきた。

 再注目されたのは「石を送るメールアート」シリーズで、十日町市信濃川で拾った石に針金を巻き、荷札を付けた作品。痛烈なメッセージを込め、美術評論家や当時の米大統領ニクソンらに送ったものだ。

 制作を始めた69年は、米国の宇宙船アポロ11号が人類初の月面着陸に成功し、月の石を地球に持ち帰った年だった。作品にはこの出来事を基に、「宇宙に目を向ける前に、身の回りにある問題を解決すべきだ」という意味を込めている。

 作品を収蔵したのは、日本やイタリアなどの戦後の現代美術作品を所蔵するテキサス州ダラスの美術館「The Warehouse(ザ・ウェアハウス)」*1。2019年、ニューヨークであった展覧会「荒野のラジカリズム グローバル60年代の日本の現代美術家たち」で購入した。

 ニューヨークの展覧会の企画に関わった米国在住の美術史家、富井玲子さんは「身近にある石を使ったことで、鑑賞者の好奇心やイマジネーションを引き出し、国境を越えて思いを共有できる表現だ」と解説する。

 月面着陸から50年の節目を迎えた19年は、アポロ計画への関心が高まっていた。加えて20年春、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、全米各地の美術館が一時閉鎖され、オンラインでの美術鑑賞が盛んに。美術批評家がネット上で堀川さんの作品を紹介したことも再評価につながった。

 堀川さんの作品はザ・ウェアハウスのホームページで閲覧できる。堀川さんは「巨額を投じたプロジェクトに安価なアートを対抗させた。エゴイズムがむき出しになりやすい現代に作品が再び注目されて光栄だ」と話した。
https://www.niigata-nippo.co.jp/news/local/20210309603104.html

堀川氏*2新潟県内で40年近く美術教師を務めていた人で*3、地元では美術教育家としても有名であるようだ。
東京散歩人氏*4曰く、