「リトルブラジル」と呼ばれている

京浜急行のPR雑誌『なぎさ』(622、2020年8月)を見ていて、横浜市の鶴見*1が「リトルブラジル」と呼ばれていることに気づいた(p.3)。「現在、約1、100人のブラジル人が住む」が、「その多くは日系人」(p.4)。鶴見は京浜工業地帯が構築され始めた1920年代から、沖縄系の移民が多かった。現在の〈日系伯剌西爾人〉でも、沖縄系が多いのでは? 日系のラテン・アメリカ人が日本に集まるようになったのは入管法が改正された1990年以降。「鶴見には沖縄から南米に渡った人たちの子孫がたくさんいて、そうした親戚を頼って住むようになった」(p.4)。
ところで、鶴見を描いた小説と言えば、笙野頼子の『タイムスリップ・コンビナート』*2。登場する鉄道は京浜急行ではなくJR鶴見線だけど。また、この小説の「鶴見」は沖縄の色は濃いが、まだラテン・アメリカの色は登場していないのだった。

タイムスリップ・コンビナート (文春文庫)

タイムスリップ・コンビナート (文春文庫)