京浜急行のPR雑誌『なぎさ』(622、2020年8月)を見ていて、横浜市の鶴見*1が「リトルブラジル」と呼ばれていることに気づいた(p.3)。「現在、約1、100人のブラジル人が住む」が、「その多くは日系人」(p.4)。鶴見は京浜工業地帯が構築され始めた1920年代から、沖縄系の移民が多かった。現在の〈日系伯剌西爾人〉でも、沖縄系が多いのでは? 日系のラテン・アメリカ人が日本に集まるようになったのは入管法が改正された1990年以降。「鶴見には沖縄から南米に渡った人たちの子孫がたくさんいて、そうした親戚を頼って住むようになった」(p.4)。
ところで、鶴見を描いた小説と言えば、笙野頼子の『タイムスリップ・コンビナート』*2。登場する鉄道は京浜急行ではなくJR鶴見線だけど。また、この小説の「鶴見」は沖縄の色は濃いが、まだラテン・アメリカの色は登場していないのだった。
- 作者:笙野 頼子
- 発売日: 1998/02/10
- メディア: 文庫
*1:See also https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20120515/1337096258 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20160124/1453608062 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2019/06/25/021949 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2020/06/25/100811
*2:See eg. 菊池良「1994年芥川賞、改札から出れない実在駅が題材、笙野頼子『タイムスリップ・コンビナート』と、日記を解読『おどるでく』」https://eonet.jp/zing/articles/_4102939.html Mentoned in https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20131106/1383765756 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20160318/1458277963