盗用未遂

広畑千春「電通が「アマビエ」の商標登録を出願も、6日に取り下げ…「独占や排他的使用は意図せず」と釈明」https://news.yahoo.co.jp/articles/78ef9dd8b74a64183311efe9f3b5babb8b93b324


曰く、


アマビエ*1は京都大附属図書館所蔵の史料「肥後国海中の怪」に描かれた妖怪。コロナ禍の中「疫病退散」のシンボルとして、多くのクリエーターや企業が原画をアレンジした作品や商品を製作している。電通は6月30日に特許庁に雑貨だけでなく電子出版物など広告マーケティングに関する188項目の商標登録を出願。Twitter上で「#電通のアマビエ商標登録に抗議します」のハッシュタグが広がるなど、“炎上”騒ぎになっていた。

 これについて電通は「当社取引先において『アマビエ』という名称を使うキャンペーンを検討していました。現時点では商標登録されていなかったものの、今後、第三者が商標登録をする可能性を考慮した結果、キャンペーン中に権利侵害が発生する可能性があるため登録を試みました」と説明。その後、取引先等との協議の結果、名称について再検討することになり、6日に出願取り下げ手続きを行ったという。

文化の盗用(aapropriaton of culture)という言葉は最近濫用され気味なんじゃないかとも思うけれど、匿名的な民俗的想像力の産物を私的に囲い込もうとすることを、文化の盗用として批判することは間違ってはいないと思う。さらに問題なのは、「電通」だけじゃないということだろう。「特許庁のホームページによると、アマビエに関する商標は、本日時点で12社から出願(うち「アマビエ」は2社)され、いずれも審査待ちとなっている」。この手の出願は原則として一律却下ということにしてほしい*2