- 作者:アルフレッド・シュッツ
- 発売日: 1980/02/01
- メディア: 単行本
先日、某本屋の店頭で、1980年に刊行されたアルフレッド・シュッツ『現象学的社会学』(紀伊國屋書店)が復刊されたことを知った。シカゴ大学出版局から上梓されたヘルムート・ワグナー編集によるシュッツ抜粋集の翻訳。これが刊行された当時、アルフレート・シュッツのテクストを日本語で読むことは殆ど不可能だった*1。これが出た後、Collected Papers2巻所収の論文を桜井厚氏が訳した『現象学的社会学の応用』という本がお茶の水書房から刊行され、さらに西原和久先生や那須壽先生による『著作集』の翻訳が刊行され始める。その時点で、紀伊國屋本の使命は終わったと思った。(管見の限りでは)実際、それ以降、この本が論文などでリファーされることはほぼなくなる。しかしながら、21世紀になって、少なからぬ復刊のリクエストが寄せられ、復刊の運びとなったわけだ。復刊を希望した人は何を思ったのか。こっちの方が重要な社会学的トピックかも知れない。
- 作者:アルフレッド・シュッツ
- メディア: -
*1:『著作集』1巻所収の論文を幾篇か訳した『現象学と社会の学』という本が存在したことは知っていたが、今に至るまで、その現物を見たことは一切ない。
*2:See also http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20070328/1175091198 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20080614/1213420843 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20100208/1265563636 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20130924/1380035169 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20171106/1509901265 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20180215/1518707268 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20180302/1519961824 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2020/02/09/151129