柴田駿

柴田駿氏の訃報を知ったのは実はアンナ・カリーナの訃報*1よりも早かったのだった。後回しになったのは、アンナ・カリーナの訃報のショックの強さ故。ご寛恕のほどを!
朝日新聞』の記事;


ミニシアターブーム支えた柴田駿さん死去 元配給会社長
2019年12月13日18時43分


 柴田駿さん(しばた・はやお=映画配給会社フランス映画社の元社長)が11日、慢性閉塞(へいそく)性肺疾患で死去した。78歳だった。故人の遺志で葬儀は営まなかった。

 68年、フランス映画社*2を設立。大島渚監督らの映画をカンヌなどの映画祭で上映した。76年から始めた「BOWシリーズ」では、世界のアート系映画の公開に尽力。テオ・アンゲロプロスジム・ジャームッシュビクトル・エリセらの名監督を日本に紹介した。ビム・ベンダース監督の「ベルリン・天使の詩」(88年公開)をヒットさせるなど、80~90年代のミニシアターブームを支えた。90年のカンヌ、94年のベルリン国際映画祭では審査員を務めた。14年にフランス映画社が破産、映画界の一線から退いていた。
https://www.asahi.com/articles/ASMDF3HN6MDFULZU001.html

どうでもいいけれど、「ビム・ベンダース」という表記は止めて欲しい。
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また、『映画.com』の記事;

カンヌ、ベルリンで審査員も歴任、数々の名作映画を日本に紹介した柴田駿さん逝去
2019年12月13日 14:03


[映画.com ニュース] フランス映画社の創業者で、生涯を通じて優れた外国映画を日本に紹介する事業を行った柴田駿さんが12月11日、都内の病院で慢性閉塞性肺疾患のため亡くなった。78歳だった。

1968年、故川喜多和子さん*3とともにフランス映画社を創業した柴田さんは、「傑作を世界からはこぶBOWシリーズ」と銘打って、「旅芸人の記録」(テオ・アンゲロプロス監督)、「ベルリン・天使の詩」(ヴィム・ヴェンダース監督)、「ストレンジャー・ザン・パラダイス」(ジム・ジャームッシュ監督)、「悲情城市」(ホウ・シャオシェン監督)など、世界の名匠の映画を次々日本に紹介。また、90年のカンヌ国際映画祭や、94年のベルリン国際映画祭では審査員も務めるなど、インディペンデント映画界のレジェンド的存在だった。

柴田さんが日本配給を手がけた「ピアノ・レッスン」(ジェーン・カンピオン監督)は、93年度のカンヌ国際映画祭パルムドールを受賞したほか、翌年のアカデミー賞脚本賞、主演女優賞、助演女優賞の3部門で受賞し、フランス映画社最大のヒット作品となった。

また、柴田さんはジャン=リュック・ゴダールとも個人的に親交を持ち、「勝手にしやがれ」「気狂いピエロ」のリバイバル上映や、近作「ゴダール・ソシアリスム」にいたるまで、数多くのゴダール作品の上映を手がけた。

なお、本人の遺志により、告別式などは一切行われないという。

(映画.com速報)
https://eiga.com/news/20191213/14/

ここで言及されている映画のタイトルを読んで、実際のその映画についての諸々のことを想起して、ちょっとの間、幸福な感じが湧いてくるという人も(私を含めて)少なくないだろう。それこそが柴田さんの功績だといえる。フランス映画社は一時伊太利映画に力を入れて、伊太利映画社に改名しろよと言われたこともあるのだった。そういう経緯を踏まえるなら、ルキノ・ヴィスコンティの『家族の肖像』*4とかフェリーニの『オーケストラ・リハーサル』*5とかタヴィアーニ兄弟の『サン・ロレンツォの夜』といった伊太利映画も言及してほしかった。
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