攪乱要素など

http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20120702/1341195220 には私のエントリーとしては例外的といえる多くのコメントを頂いた。多謝!それから、Talpidaeさんが「イケメンじゃない」とは言っていませんよ。


nessko*1 2012/07/03 12:33
ルックス重視の人選をしていたとしか思えないのはヒムラーですよね。
ナチの宣伝用の記録映画に出てくる男たちの姿は、当人たちはどう思ってたのかは知りませんが観た印象は、健康的とは言い難い、なにか退廃や退嬰を感じさせる。
ヴィスコンティはそこから感じ取ったものをあの映画に反映させたんじゃないでしょうか。たぶん、そこに魅かれた自分の中の困ったものも投影して。まじめな人ですから、それが客観的に見るとどのように滑稽で不気味かもよくわかった上で、正面から描いた。
ヒムラーのほうがヴィスコンティよりは男の趣味はフツーにいいのがおかしくてかなしい。ただし、そんな自分を嫌いになる能力はなかったんでしょうね。ヴィスコンティにはそれがありましたから、芸術家になれたんじゃないでしょうか。
http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20120702/1341195220#c1341286421

Talpidae*2 2012/07/04 22:30
そうか、俺がイケメンじゃないせいなのか?もっとも『暗殺の森』はヴィスコンティと違ってそれほどイケメンってイメージじゃないのだけれど。落ちも勘違いだってことになるし。
http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20120702/1341195220#c1341408656

Talpidae 2012/07/04 22:33
あと、ヴィスコンティの趣味はファシストに限られないよね。彼の趣味はヘルムート・バーガーとかアラン・ドロンでしたね。ヴィスコンティのドロンはいいなー。
http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20120702/1341195220#c1341408826

nessko 2012/07/05 11:51
ヴィスコンティのドロンはいいなー。

若者のすべて」では、聖人と呼ばれるほどの善人という、アラン・ドロンにはもっとも似合わない筈の役を演じさせていましたよね。そして、それがすごくいい。ちゃんと役にはまって見える。おそろしい。
http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20120702/1341195220#c1341456719

ヴィスコンティのドロン」といえば、『若者のすべて』のほかにやはり『山猫』も。小沢一郎まで引用したという*3
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ヴィスコンティの趣味はファシストに限られないよね」。『家族の肖像』でヘルムート・バーガー左翼青年の役でしたよね。勿論〈ヴィスコンティヘルムート・バーガー〉といえば『ルートヴィヒ』ということになるのでしょうけど*4。晩年のヴィスコンティと〈美少年〉といえば『ヴェニスに死す』のタジオ(ビョルン・アンドレセン)もいるわけですが、攪乱要素としての美少年というのはちょっと月並みに過ぎるでしょうか。
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映画作家と俳優との結ぼれの強さでヴィスコンティ/バーガーに匹敵するのは(同性愛的な要素はないものの)フランソワ・トリュフォージャン=ピエール・レオでしょうか。レオの場合、ゴダールにも可愛がられており、2人の狭間で引き裂かれたというのが悲劇的でもあったわけですが。ここら辺に関しては、Emmanuel LaurentのドキュメンタリーDeux de la Vague*5をご覧になることをお薦め。
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ところで、ヒムラーについては英文のバイオグラフィを2つマークしておきます;


C. Peter Chen “Heinrich Himmler” http://ww2db.com/person_bio.php?person_id=184
“Heinrich Himmler” http://www.newworldencyclopedia.org/entry/Heinrich_Himmler