Existing blobs

ロイターの記事;


2019年10月18日 / 14:10 / 2日前
720もの性別を持つ謎の生き物「ブロブ」、パリの動物園で公開
Reuters Staff


[パリ 16日 ロイター] - フランスの首都パリにある動物園は16日、自然界最大の謎の1つとされる生き物を公開した。科学者はこの生き物が動物なのか、菌類なのか、いまだに頭を悩ませているという。

この生物は「ブロブ」と呼ばれ、黄色い粘液のようなもの。この黄色いカビにも似たスライム状の生物は、動物のように動くが、科学者はまだ分類できていない。

パリ自然史博物館のディレクターは「この生物『ブロブ』は自然界の謎の1つだ。私たちはそれが何であるか、はっきりとわからない」と話した。

ブロブ」には口も胃袋も、目すらない。だがエサを見つけて食べ、知識を伝達することができる。

デイビッド氏は「『ブロブ』には学習能力がある。迷路に入れると、最適なルートを見つけてエサにたどり着く。塩が苦手だが、そうした障害物を置くとその背後にエサがあっても、それをすぐには通り抜けて行こうとしない。だが障害物をどうやって回避してエサにたどり着くかを学び、より早くたどり着くようになる。また2つの『ブロブ』を一緒にすると、片方が学んだことを相手にも伝える」と語った。

半分に切断しても2分で元に戻り、また約720もの性別があるという。このほか、手足もないのに1時間に最大4センチ移動することができる。
https://jp.reuters.com/article/blob-paris-zoo-idJPKBN1WX0IW

オリジナル(英語)は、


“Paris zoo unveils the "blob", an organism with no brain but 720 sexes” https://www.reuters.com/article/us-france-zoo-blob/paris-zoo-unveils-the-blob-an-organism-with-no-brain-but-720-sexes-idUSKBN1WV2AD


See also


Sophie Lewis “Paris zoo debuts mysterious self-healing "blob" that has nearly 720 sexes” https://www.cbsnews.com/news/the-blob-paris-zoo-debuts-mysterious-self-healing-blob-nearly-720-sexes/
Julie Zaugg “The 'blob': Paris zoo unveils unusual organism which can heal itself and has 720 sexes” https://edition.cnn.com/2019/10/17/europe/france-new-organism-zoo-intl-scli-scn-hnk/index.html


手許の英和辞典(電子辞書)でblobを見てみると、名詞としては「(どろどろとした物の)しずく」「しみ、汚れ」「形のはっきりしない物」という意味しか出てこない。また、blobということで個人的に印象に残っているのは、 Hanna Fenichel Pitkinのハンナ・アレントThe Attack of the Blob*1なのだけど、この本を読んだときには、blobはスライム状の化け物、くらいの認識しかなかった(笑)。

The Attack of the Blob: Hannah Arendt's Concept of the Social

The Attack of the Blob: Hannah Arendt's Concept of the Social

さて、blobをWikipediaで探っていくと、


“Physarum polycephalum” https://en.wikipedia.org/wiki/Physarum_polycephalum
モジホコリhttps://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A2%E3%82%B8%E3%83%9B%E3%82%B3%E3%83%AA


に行き着くようだ。南方熊楠*2が(また昭和天皇も)研究していた変形菌(粘菌)の一種。