「経済学」から「経済科学」へ

NHKの報道;


新潟大「経済科学部」設置へ
09月03日 17時09分


新潟大学は、来年度、いまの「経済学部」を改め、国際的に活躍できる人材などの育成を目指す「経済科学部」を設置することを発表しました。

これは、新潟大学の高橋姿学長が3日、記者会見で明らかにしました。
文部科学省の大学設置審議会は、先月13日付けで、新潟大学の「経済学部」を改め来年4月から「経済科学部」を設置することを認めました。
新たな「経済科学部」は、経済学の分野でも数学を用いる頻度が高まっていることを踏まえ、名称に「科学」を盛り込み、国際的に活躍できる人材を育てる「学際日本学プログラム」や地域の政治家や起業家などの育成を目指す「地域リーダープログラム」など4つのプログラムを用意します。
学生は2年に進む段階でこのうち1つを選択し、募集定員は、これまでの経済学部よりも45人多い350人とします。
入試では、筆記試験だけでなく面接や書類などで人物を総合的に評価するAO入試も実施します。
高橋学長は「若者の人口が減少する中、大学の責務は優れた人材を世の中に送り出すことだ。日本の近未来に対応できる人材を育てていきたい」と述べました。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/niigata/20190903/1030009300.html

「経済科学」って英語ではやはりeconomic scienceなのだろうか*1。でも、「科学」ではない「経済学」ってあるのだろうか。或いは、「科学」を非常に限定的な意味で用いて、「経済学」の中でも「科学」に収まりきれない部門、例えば経済思想史とかを切り捨てるということだろうか。ところで、「経済学の分野でも数学を用いる頻度が高まっている」というけれど、これは最近の話というわけでもなく、50年前から「数学を用いる頻度」は「高」いんじゃないか(Cf. 佐和隆光『経済学とは何だろうか』)。
経済学とは何だろうか (岩波新書)

経済学とは何だろうか (岩波新書)

新潟大学経済学部は(例えば)宇沢弘文先生も在籍していたことがある筈。
ところで、「財政難のため、実験に必要な消耗品を教員がポケットマネーを使って購入する」、「教員人事を原則凍結する」といった財政的な非常事態は既に脱したのだろうか*2

*1:或いは複数形。

*2:永田篤史「新潟大、財政難で教員人事凍結 原則2年間、補充もなし」http://www.asahi.com/articles/ASJ235JH5J23UOHB014.html Cited in https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20160204/1454592588