『産経新聞』の記事;
「いずれもウェブサイトや他の研究者の論文をそのまま記載していた」というのはわかりにくいというか変な日本語だけれど、要するにほぼ丸写しということ。
2017.3.30 16:13更新金沢星稜大准教授が不正 論文3本で盗用、退職
金沢星稜大(金沢市)は、経済学部の方斌・准教授が書いた論文3本と共著の書籍に盗用があったと明らかにした。30日までに大学のホームページで公表した。准教授は論文3本を取り下げ、昨年2月、一身上の都合を理由に退職した。
金沢星稜大によると、3本の論文と書籍はいずれもウェブサイトや他の研究者の論文をそのまま記載していた。一昨年11月、教授への昇格審査中に発覚した。
大学側が学内に調査委員会を設置し、90日間の出勤停止処分相当との決定をした。
http://www.sankei.com/west/news/170330/wst1703300052-n1.html
金沢星稜大学の対応については、
「本学経済学部元教員による研究活動上の不正行為(盗用)について」http://www.seiryo-u.ac.jp/u/new/03292017_04.html
「金沢星稜大学教員の研究活動上の不正行為に関する調査報告について」http://www.seiryo-u.ac.jp/u/new/rbjedl00000rxubz-att/rbjedl00000rxuim.pdf
宮粼正史「金沢星稜大学経済学部元教員の研究活動における不正行為に関する学長声明」http://www.seiryo-u.ac.jp/u/new/rbjedl00000rxubz-att/rbjedl00000rxuhd.pdf
その実態は上掲の「調査報告」に詳しい。「盗用」の被害者には共同研究者が含まれており、そのうちの1人は(何と)同じ金沢星稜大学経済学部の同僚だった。よくばれなかったものだと思ったのだが、発覚が遅れた要因として、日本語ではなく英語の論文だったこと、また媒体が雑誌(ジャーナル)ではなくコンファレンス(学会?)の報告予稿集のようなもの*1だったことが挙げられるだろう。
文系研究者による剽窃問題については、http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20131022/1382381264 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20131023/1382506909 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20140225/1393297014 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20141031/1414769494 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20141101/1414817208 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20150724/1437730761 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20160125/1453699000 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20160205/1454689892も参照のこと。
ところで、中国の或るSNSのユーザーだけで、2000人以上の「方斌」がいるのだった*2。全世界ではいったい何名の「方斌」がいるのやら。
*1:査読はなかった?
*2:http://name.renren.com/fangbin93550 「同姓同名」については、http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20060511/1147316367 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20081231/1230693199 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20090118/1232211720 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20100320/1269098073 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20110601/1306951545 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20110615/1308168387 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20151202/1449074591 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20160623/1466697448 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20170124/1485235599 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20170130/1485783461も参照のこと。