1948年以来

「70年ぶりの識字調査実施へ 未就学者や外国籍の増加受け」https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190610/k10011947721000.html


或る年齢以上の日本人*1なら字を読み書きできるだろうというのは最早自明の事柄ではないということだろうか。連合国占領中の1948年以来初めての「識字調査」が行わるという。


識字調査が必要になってきたのは、日本語で生活を送る人たちの多様化が背景にあります。

1つは、不登校や親による虐待などで就学の機会を奪われたいわゆる「未就学者」の存在です。7年前に公表された国勢調査で、その数は12万8000人以上とされていますが、実際はその何倍にも上ると指摘する専門家もいます。

また、増え続ける外国籍の子どもたちの問題も明らかになってきています。国はことし4月、法律を改正し、外国人労働者の受け入れを拡大しましたが、政府は今後5年間でその数は34万5000人を超えると試算しています。

こうした事情により、日本語で生活する人たちの「識字」の実態を改めて把握する必要が出てきたというのです。

70年前の調査を巡って;

日本で大がかりな識字調査が行われたのは終戦後の1948年にさかのぼります。

調査を指示したのは、GHQ=連合国最高司令官総司令部が戦後の日本で教育改革を行うためアメリカから派遣された使節団です。使節団は「漢字とひらがなを使う日本語は難しすぎて負担となっている」と考え、当初、ローマ字の採用を検討していたといいます。

そこで、日本語が国民にどれだけ定着しているかを把握するため行われたのがこの調査でした。全国の15歳から64歳までの男女およそ1万7000人を対象に行われ、読み書きや文章の理解など合わせて90もの問題が出されました。

その一部です。

「朝太陽は、(上、雨、東、冬)から出る」
「あの人の(態度、国民、各派、必要)は立派だ」

調査の結果、読み書きできる能力がある人たちは全体の97%を超えていて、文部省も日本で読み書きできない人の割合は世界で最も低い部類に属していると公表しました。

*1:民族や国籍を問わず、長期に亙って〈在日〉している人は誰もが日本人である。