埼玉県では

川崎の小学生襲撃事件*1もそうなのだけど、最近「包丁ブーム」だと感じている方がいる;


三面記事ウォッチャーなら気づいている人も多いだろうが、なんというか、ある時期それも短期間に似たような傾向の事件が各地で続いて起こることがよくある。毎年見られる光景といっていいくらいだ。このところ包丁による殺傷事件が続いた。痴情のもつれヤクザのけんか通り魔と形態は様々だが包丁が共通項として光った。大ニュースとなった通り魔と、包丁かざしたら警官に射殺されたさいたまアメリカンな終止符で、この包丁ブームもひと段落しそうだ。
https://nessko.hatenadiary.jp/entry/2019/05/29/114519
「包丁かざしたら警官に射殺されたさいたまアメリカンな終止符」とはこの事件のことなのだろう。
『ハフィントン・ポスト』(『朝日新聞』)の記事;

2019年05月29日 10時43分 JST
さいたま市 刃物で向かって来た男に警官が発砲し死亡
空に向かって威嚇射撃もしたが応じなかったという。


刃物で向かってきた男、警官に撃たれ死亡 さいたま市

 28日午後2時ごろ、さいたま市見沼区和田町1丁目の路上で「男が倒れていてうなっている」と119番通報があった。埼玉県警によると、駆けつけた大宮東署員2人に男が包丁を持って向かってきたため、署員が包丁を捨てるよう警告。空に向かって威嚇射撃もしたが応じなかったとして、それぞれ1発ずつ男の足を狙って発砲し、1発が男の腹部に当たった。署は男を公務執行妨害容疑で現行犯逮捕。男は搬送先の病院で死亡した。

 署によると、男は近くの職業不詳鎌田幸作容疑者(68)で、通報時は左腕付近から血を流していたという。他にけがをした人はいない。金光広和副署長は「亡くなったことは誠に残念。現時点で拳銃使用については適正な職務執行だったと考えている」とコメントした。

 現場は東武野田線大和田駅の南西約400メートルの住宅街。

朝日新聞デジタル 2019年05月28日 22時10分)
https://www.huffingtonpost.jp/entry/knife-fire_jp_5ceddeb1e4b0ae671058c4bf

かなり悲惨な事件なのだけど、短い記事を読むと、何故かわからないけれど、脱力してしまう。唐突な死のおかげで、何故「倒れていてうなってい」たのかというそもそもの問題も吹き飛んでしまった。そのせいで、大方の犯罪に付き纏っているウェットなディテイルが蒸発して、ただ死体だけが転がっているという荒涼とはしているけど、からっとした空気感が残る。
こういうときの警察による「拳銃使用」は相手の攻撃能力や逃走能力を奪うためであるのに、「腹部に当たっ」て、仕留めちゃったというのはミスには変わりないだろうと思ったのだけど、警官の銃弾が致命傷だったのかどうかということもわからないのだった。タイトルの「撃たれ死亡」というのは因果関係を表しているのか、たんに時系列を表しているにすぎないのか。