南船北馬、但し偽物

最近「偽物」について言及したばかりだったのだけど*1

朝日新聞』の記事;


草間彌生さん贋作展が中止 上海で開催、中国各地でも?
10/27(土) 18:46配信 朝日新聞デジタル


 前衛芸術家の草間彌生さん(89)*2が理事長を務める草間彌生記念芸術財団は、中国の上海市などで草間さんの贋作(がんさく)の展覧会が開かれたが、財団の申し入れにより中止になったと27日発表した。「芸術家の創造行為に対する重大なぼうとくであり権利を侵害する行為であって、断じて許されるものではありません」としている。

 発表によると、遅くとも今年9月以降、上海市湖南省長沙市で、草間さんと現代美術家村上隆さんの2人展などと称し、草間さんの贋作を展示する展覧会が開催された。ほかにも、広州市天津市、青島市、重慶市など中国各地で同様の展覧会が開催された模様で、別に調査中のものもあるという。

 草間さんは水玉などの模様や鮮やかな色彩にあふれた独自の作品を生み出し、国際的に高い人気を集めている。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181027-00000065-asahi-int&pos=2

より詳しいのは、


プライムニュース イブニング「またも中国で…前代未聞の「草間彌生作品展」全てがニセモノだった!」https://www.fnn.jp/posts/00379870HDK
FASHIONSNAP.COM「中国各地での「草間彌生」偽作展、財団は抗議の姿勢」https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181027-00010000-fashions-cul


中国での報道、例えば、


北京文藝網「対不起、你看了一個假展覧!草間彌生村上隆欲提起訴訟」http://www.artsbj.com/show-19-589700-1.html
文匯報「真偽難辨!国内多地出現”草間彌生×村上隆双聯展”、日媒:全是贋品」https://baijiahao.baidu.com/s?id=1615384181947004867&wfr=spider&for=pc
環球時報「日媒:中国民間打着草間彌生等人名義辦展覧、展品均是贋品」https://baijiahao.baidu.com/s?id=1615380971983246893&wfr=spider&for=pc


とかを読むと、湖南省長沙では大人1人60元の入場料を取っていたようだけど、上海を含め、多くの土地では、ショッピング・モールのイヴェントとして、入場無料だったようだ。
事件の背景として考えられるのは、先ず中国におけるショッピング・モールの乱立だろう。そもそも中国語で「広場」という言葉は、例えば天安門広場とか、日本語の「広場」と同じような意味しかなかった。遅くとも1980年代には香港の広東語で「広場」という語がショッピング・モールという意味で使われるようになった。Times Square(時代広場)とか。この用法は、1990年代後半以降、実際のモールとともに、中国内地にも広がり、今や上海などではそこら中「広場」だらけという状況になっている。モール運営の鍵は勿論有名なブランドの誘致だけど、常に何かしらのイヴェントを行って、用はなくても楽しい場所というのを演出しなければならない。イヴェントのネタに悩むモール運営者がこの偽草間彌生展の企画に飛びついたというのは不思議ではない。また、万民SNSの時代では何処でもそうなのかも知れないけれど、中国人の多くにとって、アート作品というのは殆ど記念写真のためのネタとして存在しているということがある。そして、仮令偽物であっても、草間作品はそれにぴったしだということも事実なのである。
最初に掲げた朝日の記事だと、村上隆*3側は黙っているようだけれど、実際は村上隆代理人も既に動き出している。