謝罪したのはボス

承前*1

曄道佳明「本学教員によるニュースメディアでの記事掲載について(お詫び)」https://www.sophia.ac.jp/jpn/news/PR/2018/news20180830a.html


水島宏明による予約サイトとホテルに対する誹謗記事問題に関して、水島が所属する上智大学学長の謝罪声明。たしかに、誠意ある対応と言えるのだが、組織の長が公式に謝罪すべきことなのかは疑問だ。さらに言えば、政治的な意味において、これは誤った対応であるとさえいえるのではないか。これは、水島が個人として謝罪すべき問題であって、上智大学という組織の問題ではないからである。大学教員の言論・表現の自由は、ほぼ留保なく肯定されなければならないが、それは自分のけつは自分で拭くという前提の下でである。今回、ボスにけつを拭いてもらったことによって、水島の罪はさらに重くなったといっていいだろう。上智大学のほかの先生方はどう思うのだろうか。自分が何か言って炎上したら学長の謝罪声明が出るのかと思って、言いたいことも言えずに躊躇してしまうということにならないだろうか。何が言いたいかといえば、水島は同僚の自由を奪っているということだ。さらに、突き詰めていけば、自由という概念それ自体を委縮させることにもなるだろう。
上智大学イエズス会の大学なので、常に懺悔には開かれているのだろうけど、水島の罪は神に懺悔すべき事柄ではなく、公的に謝罪すべき事柄だろう。