場面緘黙のこと

Eテレの『バリバラ』で「場面緘黙」が取り上げられていた*1。「場面緘黙」の人は家族とは普通に会話することができるのに、家族外の状況では強い不安のために話せなくなってしまう。しかし、筆談などの文字によるコミュニケーションはスムースに行えることが多い。
それで思い出したことがある。
さて、中学のときに、クラスに全く話さない子(女子)がいた。私を含めて(少なくともクラスの男子では)1年間通して彼女の声を聞いたことがある者はいなかった。特に国語とか英語の授業では、教師が生徒を指して教科書を音読させるということがあるけど、彼女が指されると、立ち上がったまま、1分くらい沈黙と静寂が教室全体を支配し、そして次の生徒が指されるという感じだった。また、音楽の授業で歌のテストというのがあって、一人ずつ前に出て教師のピアノ伴奏で歌わされるのだが、彼女の番になると、教師も前奏の1小節を弾いただけで、指が凍り付いてしまう感じだった。その頃、「場面緘黙」なんて言葉は知らなかったし、事情を説明してくれる教師もいなかった。なので、彼女に関しては、普通のシャイとか内気というのとは違うかなり変な奴というイメージが強かったと思う。また、授業中指名されて立たされてまた着席を許されるということが儀礼のように繰り返されていたわけだが、(今から考えると)そのような反復が彼女の自尊心や精神の統合にいい影響を与えたわけはない。
See also


場面緘黙症Journal』https://smjournal.com/ https://smjournal.blog.fc2.com/
Wikipedia
https://en.wikipedia.org/wiki/Selective_mutism
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A0%B4%E9%9D%A2%E7%B7%98%E9%BB%99%E7%97%87
「わざと話さないわけじゃない。専門家に聞く、場面緘黙(かんもく)について知っておきたいこと」http://www.nhk.or.jp/hearttv-blog/1800/217342.html
場面緘黙症とは…?」http://www.j-bloom.com/kanmoku/